【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #09
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第二章 暗い井戸の底をのぞき込んだ日 (2)無謀だった山林学校受験島邨(しまむら)の言うとおり、東京山林学校は官立なので学費は安かった。修学上必要最低限の教科書代や制服や靴なども支給されることになっている。当時はまだ将来何になろうという確かな志望があったわけではなかったが、安い学費で勉強できることに強く惹かれた。
そのことが、一生を林学に捧げる出発点となるのである。
募集は二月、九月開始の二期生で、募集数はそれぞ