【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #31
前回はこちら↓
【山林王・土倉庄三郎】
第四章 緑の力で国を支える (1)
山林王・土倉庄三郎(前編)静六が帰国した当時、日本の林業で一人気を吐いていたのが吉野の〝山林王〟土倉庄三郎(どくらしょうざぶろう)だった。
静六は彼のことを深く尊敬し、謙虚にその技術に学んでいる。
本多静六という人物は強烈な上昇志向の持ち主だが、威張ることが目的ではない。威張りたければ留学帰りを金看板とし、日本の林業など歯牙にもかけない風を装えばいいわけだ。だが彼はそうしなかった。留学で学んだ知識