【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #32
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第四章 緑の力で国を支える (2)
山林王・土倉庄三郎(後編)土倉は自分のノウハウを隠さず、むしろ積極的に世に広めようとした。
明治二三年(一八九〇)の第三回内国博覧会には長さ約六〇メートルもの筏の現物を出品。林業こそ富国強兵の鍵だと訴えた。
天竜川の治水に取り組んだ金原明善(きんぱらめいぜん)を指導したことでも知られる。
金原は安間(あんま)村(現在の浜松市)の名主だったが、氾濫を繰り返す天竜川への対策として堤防の強化を考え、土倉に頼んで現地まで指導にきて