【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #63
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第五章 人生即努力、努力即幸福 (9)
東京都とイチョウ首賭けイチョウや東大正門のイチョウ並木もそうだが、以前から静六はイチョウという木に思い入れがあった。
ドイツでイチョウはゲーテの有名な恋愛詩「イチョウの葉」にちなみ、しばしば〝ゲーテの木〟と呼ばれている。ゲーテは六六歳の時に二五歳も年下の人妻に恋心を抱き、イチョウの葉とともにこの詩を贈ったのだ。静六が、イチョウを自分のドイツでの甘酸っぱい思い出と重ね合わせていたかどうかは定かではないが…。
帝都復興事