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高校生クイズ王が模擬ビジネスで真剣勝負!/『エコノミクス甲子園』イベントレポート(前編)

『エコノミクス甲子園』をご存じでしょうか。金融や経済に関するクイズの高校対抗バトルです。正式には、全国高校生金融経済クイズ選手権『エコノミクス甲子園』。テレビでも放送されて有名な『高校生クイズ』に並ぶ大規模なクイズ大会で、レオス・キャピタルワークスもスポンサーの1社として応援しています。

2020年大会からは、クイズ大会のプレイベントとしてビジネスを「模擬店」として実践するプログラム「ビジネスラウンド」も加えられました。ここに私たちレオスのメンバーたちも、ボランティアスタッフとして参加してきました。全国から勝ち上がったエリート高校生たちですが、知識だけではうまくいかないリアルな商売に悪戦苦闘!真剣勝負の高校生たちの様子をレポートします。

レポーターは、レオス・キャピタルワークス マーケティング・広報部の大酒です。

(2020年2月8日・国立オリンピック記念青少年総合センター)

出資者を迎える前に掃除機

朝10時過ぎ。廊下から部屋の中を覗くと、高校生が掃除機をかけていました。これからベンチャーキャピタリスト役の方々に、自分たちの考えたビジネスをプレゼンし、出資をお願いするのです。資金の出し手を迎える前に掃除機をかける。その心構えに、ベンチャーキャピタリスト役の我々はさっそく感心しました。

「株式会社ディスペルシオーネ珈琲社長の川本です」

部屋に入ると、10人くらいの高校生が迎えてくれました。名札の高校名を見ると、4校ほどの高校の混成チームでした。これから、都道府県大会を勝ち残った46の高校が10のチームに分かれてビジネスを競うのです。

今回の「模擬店」コンテストの進め方はこんなかんじです。

甲子園2

レオスメンバーのほか、スポンサーである地方銀行の行員の方々がベンチャーキャピタリスト役になり、高校生の考えたビジネスを吟味し、事業の元手となるお金をいくら出すかを決定します。高校生はこの資金を使って近くのスーパーなどから材料を調達し、会場内に模擬店を出して、大会関係者を相手に商売をします。ベンチャーキャピタリストもリアル同様に、資金を出すだけでなく、高校生を背後からサポートするというわけです。

高校生たちの目の付けどころ

私が担当した「株式会社ディスペルシオーネ珈琲」は、京都府の洛北高校や香川県の高松高校などのチーム。皆さん緊張はしているものの、社長のプレゼンは堂々たるものでした。

「いろんな種類のコーヒーを飲んで、お気に入りを見つけられる商品です」

スティック型のインスタントコーヒーのセットを何種類も買ってきてバラバラにして、すべて違う味の12本のセットに袋詰めし直して販売するというアイデアです。

全部で60セットを売る計画とのこと。

「60セットも売れる?」

資金の出し手として不安になり、質問してみました。

「あるアンケートによれば、コーヒーを週1回以上飲む人は50%います。会場には百数十人のお客さんが来ると聞いているので、その半分が買ってくれると予想しました」

うーん、よく調べているけれど、甘い事業計画だなという印象です。ところが、高校生たちは一枚上手であることが、この後のランチ時に分かります。

甲子園3

ちなみに、他のチームのビジネスも面白いものばかりでした。

・マンガの1巻だけをセットで販売
・かばんに入っていると便利なグッズをひとまとめにして販売
・スマホ・イヤホンの掃除セット
・チョコレートなどフェアトレード食品セット
・正解したら景品がもらえるクイズ
・本を一冊買うと、もう一冊、別の趣向の本が付いてくる「読みたい本と思いがけない本のセット」
・駄菓子を袋に詰め放題
・スマホに取り付けられるタッチペン
・手作りチョコセット

ここでは詳細は割愛しますが、プレゼンをちょっと聞いてみたくなりませんか? 高校生たちの目の付け所が垣間見えます。

ランチ時に本音が…コーヒー販売の狙い

施設の食堂で、ディスペルシオーネ珈琲チームの高校生と一緒にランチしました。そこで、こっそりと聞いてみました。

「正直なところ、売れそう?」

「けっこう売れると思います」

「お、どうしてそう思うの?」

「模擬店で使われるお金は現金ではなく、事務局が用意したクーポンです。その場でしか使えないので、使い切るインセンティブがあります。そうすると、保存がきいて、必ず消費するものが売れると思います。コーヒーを飲む人なら、とりあえず買ってくれると思うんですよ。2パック、3パックセットなら割引にすると、買いだめする人もいると思いますし」

「………」

金券というこの場限りのルールに頼るのはずる賢い気もしましたが、ビジネスはそれくらい考えないとうまくいかないかもしれません。模擬店は30分ほどの制限時間内に、限られたお客さんにいかに商品を売るかの勝負。お客さんは1600円分の金券を事務局から渡され、自由に模擬店で買い物をします。買った商品は自宅に持って帰れます。こうしたお客さんの事情をしっかり把握して、商品戦略を考える高校生を頼もしく感じました。私自身も、このコーヒーセットを買おうと思いました。

「レオスさんって、最近は海外株のファンドも出されましたよね」

「最近は投資の世界に物理学の成果が導入されているって聞いたのですが、それはどういう意味ですか」

高校生は金融の世界に興味津々で、矢継ぎ早に質問を受け、ランチの時間はあっという間に過ぎました。

1万4000円の元手を増やせるか?

ランチ後は買い出し班と模擬店準備班に分かれました。買い出し班は、コスト削減のため電車やバスを使わずに徒歩で原材料となるインスタントコーヒーを調達。準備班は、ポスターなどの販促物をつくります。ペンや机を借りると、費用計上する必要があるため、高校生たちは様々な方法でコスト削減に励んでいるのです。

甲子園4

申し遅れましたが、私たちベンチャーキャピタリストは「株式会社ディスペルシーネ珈琲」に1万4000円を出資しました。この1万4000円で高校生ビジネスマンは、コーヒーを買い、ペンを借り、販促物をつくり、模擬店を開いて売り上げを獲得するわけです。

果たしてリターンは得られるのか……?
模擬店準備の様子や、模擬店での商売の様子を含めて、後編にてお伝えします。

   (後編はこちら↓)


※当記事のコメントは、個人の見解であり、市場動向や個別銘柄の将来の結果をお約束するものではありません。ならびに、当社運用ファンドへの組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。



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