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私たちは、もっと「お金」の話がしたいー働くこととお金のポジティブな関係とはー

2024年2月に出版した書籍『投資家と考える10歳からのお金の話』を題材に、前回はレオスメンバーが投資教育について考えていることや、自身のお金観についてお話しました。

今回は、働いてお金を稼ぐことや「投資文化」について聞いてみたいと思います。
(聞き手:レオス・キャピタルワークス株式会社マーケティング部/長尾)


働くこととお金のポジティブな関係

―この本では、働くことやお金を稼ぐことについての章を設けています。働くのが楽しくてワクワクすることだと伝えたいからです。そこには、ポジティブなお金の流れが見えるような気がします。

山崎:子どもの頃、夢を聞かれるのって嫌じゃなかったですか?なんとなく大人に期待される答えを頑張って探したりして。習い事とかしていたら、それに関係ある人(選手や有名人)を言わなきゃとか思って。

この本には、そうした分かりやすい「夢」を仕事にする話を書いているわけではないです。本に出てくる主人公の男の子はサッカーが好きなんですが、大人になってサッカー選手になるストーリーにはなっていません。(どんな職業に就いたかは、ぜひ本を読んでほしいです!)

サッカーが好きといっても、選手になるだけが選択肢ではない。視野を広げてみると、実にいろんな職業があります。それが分かっていれば、子どもの頃にもっと自分の欲求に素直に、将来の夢について考えられたのではないかという気もします。

経営企画部長の山崎

千葉:サッカーに関われる仕事って、実はたくさんありますよね。この本の中で紹介しているように、自分の好きなものを、ほかのいろんな可能性と掛け合わせて考えていくと楽しいし、選択肢も広がるのではないかと思います。この本では、夢とかやりたいことを考えるきっかけになればと思って、ある程度具体的に事例を載せています。山崎さんのように「夢を聞かれてなんとなく嫌だった」という子どもが、「こういう仕事をやってみたい」と言えるようになると嬉しいです。

仲岡:将来の夢を「サッカー選手」のように限定的に捉えて想定してしまうと、それが叶わなかったときに「ダメだった」「挫折した」という感覚になってしまうのは辛いですよね。そうじゃなくて、選択肢はもっといろいろあるんだよと伝えたいです。もちろん、サッカー選手になることもとても素晴らしいと思いますよ!

千葉:広い視野で、好きなことに繋がる仕事を探していけば、働くことがポジティブになるのではと思います。そうすると、働いて稼ぐお金に対してもポジティブな意識を持つことができるのではないでしょうか。


遠回りだけど「お金」の話をする理由

―それにしても投資の話をほとんどしていない本を出して、レオスとしては何のメリットがあるのでしょうか。

仲岡:高校などで株の話をすると、「働かなくても株で生計を立てていこう」といった、FIREみたいな選択肢として投資のイメージを持っている生徒さんもいます。ですが、私たちが伝えたいのは、そういうことではないんです。

山崎:株式投資が働くことから切り離されて考えられる根底には、労働が辛いという思いがあるのかな。

写真右:仲岡はセミナーで講師を務めるなど、積極的に金融教育に取り組んでいる。

千葉:お金を使ったり働いて稼いだりするのはとても素敵なことで、その延長に投資という行為もあると知ってほしいです。その前提がないと、いつまでたっても投資は「勝った・負けた」とう損得にかかわる一面だけが強調され、売買ゲームに強い人だけが勝者になってしまいます。

社長の藤野が最近、「消費者」「生活者」とならんで「投資者」といえる世の中にしたいという話をよくしています。「芸術家」「起業家」「投資家」のように、「家」と付く呼び方には「特別な存在」というニュアンスがありますよね。そうじゃなくて、一般の人が普通にする行為として投資が世の中に浸透するようにしたい。消費もするし、労働してお金を稼いでもいるし、投資をして企業を応援することも生活の一部になっているイメージです。
 
仲岡:その意味では、とても長期的な目線で金融教育を考えています。社長の藤野をはじめ、私たちは投資ってこんなに素敵なこと・良いことなんだ、社会に必要なことなんだと発信したいのです。その前提として、お金の役割や社会へのポジティブな循環について知ってほしい。
この本を読んで、お金と良い付き合い方を知った人が投資も好きになり、結果的にいつか投資をする時にひふみを思い出してもらえたら嬉しいなと思っています。

余談ですが…

―この本ができるまでの間に、ひふみ金融経済教育ラボのメンバーが入れ替わったというお話をしました。本の中でサッカー好きな少年が登場しますが、それはサッカー好きなレオスのメンバーがいたからです。また、「おいしいキノコ」をつくる会社の例が出てくるのは、実際にキノコの会社をつくって独立したメンバーがいたからです。
いろんな人の協力があって、この本を世に出すことができました。改めてお礼申し上げます。
 
次回はファンドマネージャーの藤野と渡邉、営業部長の堅田に、お金との付き合い方を聞いてみます!ぜひご覧ください。

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