「なんだか優しい」コミュニケーションが仕事の環境をかえる。自分の可能性を高めるコミュニケーションを考えてみます。
こんにちは、ひふみラボ編集部の長尾です。
皆さんの会社では、社員どうしで感謝の気持ちを伝え合ったり、気軽に「イイネ!」と言いあえる雰囲気はありますか?
人は誰でも、「ありがとう」と言ってもらえると嬉しい気持ちになると思います。ポジティブな気持ちになると、仕事への意欲も高まりますよね。働くうえでそうしたポジティブな気持ちが生まれることを「感情報酬」ととらえ、労働の対価として目にみえる形(ポイント)で贈りあうサービスを提供しているのがUnipos株式会社です。
レオスでは2019年から、Unipos(ユニポス)を利用しています。
6月24日(土)、日比谷国際ビルコンファレンススクエアにて「ひふみフォーラム2023」を開催します。
この度は「『ありがとう』で広げる人と企業の可能性」をテーマに、働く人が最大限に能力を発揮でき、今後も長期的に成長する組織になるにはどんなことが必要なのかを深めていきたいと思い、企業カルチャーの変革や「心理的安全性のプロ」田中 弦さん(Unipos株式会社 代表取締役社長CEO)をお招きすることになりました。
今回は、このセッションのテーマである「社内コミュニケーション」を紐解く要素のひとつとして、「Unipos(ユニポス)」を利用するレオスのメンバーに、特に周囲への感謝の伝え方やそれがもたらす自分自身や一緒に働くメンバーの変化について聞いてみました。
転職して感じた、レオスでの違和感
さて、私はレオス・キャピタルワークスに転職して1年になる中途採用の社員なのですが、会社に入って間もない頃に気が付いたことがあります。
(この会社で働く皆さんは、コミュニケーションに人一倍気を遣っている気がする)
ということです。
例えば誰かに業務を依頼するとき、その業務を依頼する背景や目的をきちんと説明したり、作業が完了したら丁寧にお礼を伝える、といった具合です。また失敗やミスしたことに対して、責めるような発言をほとんど見かけません。特定の人がとりわけ気遣いに長けているというわけでもなく、多くの社員がお互いを気遣いながら声をかけあっているように見えました。
仕事をするうえでは当たり前のことかもしれませんが、コミュニケーションがなんだか優しい気がするのです。
ちなみに、コミュニケーションが「なんだか優しい」と感じるのは在宅ワークでのオンライン業務でも同様です。
入社した当初は、この「なんだか優しい」コミュニケーションの正体がよくわからなくて、私の中ではちょっとしたミステリーでした。
みんな優しい人なんだろうか?いや、そうはいっても性格なんてバラバラだろうし、属人的な性質というわけではない気がする。それに、優しいと感じるのはコミュニケーションそのものであって、仕事内容が簡単とか、適当でいいという意味とは違う。こういう社風ということなんだろうか?などと、ぼんやり考えていました。
心理的安全性を高め、働きやすい職場をつくるためのサービス「ピアボーナス®︎Unipos」
レオスには、社員が共通して大切にする行動指針として3つの「レオスバリュー」があります。その一つに「一日一笑(いちにちいっしょう)」を掲げ、柔らかなコミュニケーションをすることを大事にしています。
そのバリューを体現をするもののひとつとして、ありがとうという感謝のメッセージをポイントとともに贈ることができるUniposのサービスを導入しています。
私はUniposを利用するのが初めてだったので、当初は興味津々でしたし、早く会社に馴染みたいという意識もあったので、積極的に利用していました。
ほかのメンバーの投稿を眺めていると、細やかなメッセージが目を引きます。日々のこうした取り組みが、入社して感じた「なんだか優しい」コミュニケーションを形作っているようにも思いました。
ところが、間もなくしてあることに気が付いたのです。「ありがとうのメッセージを伝え続けるのは、けっこう難易度が高い」ということに……。
Uniposのポイントは、一人につき毎週一定の数が付与されます。当社の場合は400ポイントを毎週誰かに贈ることができ、もらったポイントは最終的に賞与に反映される仕組みになっています。400ポイントは1週間で使い切らなければリセットされてしまい繰り越しができません。使わないと勿体ないのですが、仕事が忙しくて余裕がなくなるにつれ、丁寧にメッセージを贈る余裕もなくなっていきました。(ちなみに、メンバーの投稿は全員閲覧することができ、他人の投稿に拍手を送る形で「イイネ」をしてポイントを贈る機能もあります)
そこでこの機会に、Uniposをよく利用しているメンバーにどんな想いで「ありがとう」のメッセージを投稿しているのか聞いてみることにしました!
レオスメンバーの「ありがとう」を伝える実践方法
――渡邊さんは主に、お客様向けのイベントを企画・実施する仕事を担当しています。他部署の人とも協力しあって進める仕事が多いといいますが、いつもどんな意識をもって「ありがとう」のメッセージを投稿しているのでしょうか。
渡邊さん:私の仕事は他部署の人も含めて誰かに「これをしてほしいです」と依頼することが多いので、依頼した仕事をやってくれた人に「ありがとうございました」と伝えることは大事にしています。
例えばイベントを開催するにしても、私一人では全然できないわけです。いろんな人に協力してもらって初めて実現することがほとんどです。でもその過程は地道なもので、社内でもなかなか見えにくいと思います。なので「〇〇さんがこういう仕事をやってくださって助かりました」ということを言葉にして伝えることを意識しています。
――竹中さんは、営業推進のサポートなど販売パートナーに関する業務全般に関わっており、フロントやバックオフィスなど他部署との連携も多い業務を担当しています。
竹中さん:私は営業部の同じ業務をしているメンバーには、いつもメッセージを贈っています。本当にみんな大変な業務を頑張っていて、それは同じ仕事をしているメンバーにしかわからないことかもしれませんが、感謝しています。
本当はもっとポイントを贈りたいので、毎週400ポイントでは足りないくらいです。そうした部署内の仕事について、私のメッセージを通して他部署の人にも知ってもらえる機会になればいいなぁと、ちょっと期待もしています。
――お二人とも、「誰かの仕事内容を社内で共有したい、知ってほしい」という想いがあってメッセージを贈っているのですね。結果として目に見える仕事は氷山の一角で、ゴールにたどり着くには多くの地味な仕事が積み重なっています。誰かが毎日、小さな努力をしていることに感謝できるのは大切なことですね。
実はレオスは、創業から間もない時期から「褒める」文化をつくってきました。当時はカードにメッセージを手書きするスタイルだったようです!
当社代表の藤野は常々、「ありがとうこそ最高の投資」と言っています。誰かの行為や発言に注目し、日常的にありがとうと伝えることで仕事が楽しくなり、ひいては働く環境や社会全体に良い循環をもたらすという考え方です。
メッセージ投稿を仕組化することで、自分にとっても良い循環をつくる工夫
レオスでは毎月の全社定例会で、Unipos投稿が多かった人が表彰されます。押切さんはその常連で、誰もが認めるUniposの達人です。普段は株式戦略部でファンドマネージャーやアナリストの、企業とのミーティング日程調整業務を担当しています。
――押切さんは毎週金曜日には必ず10件近くの「ありがとう」メッセージを投稿していて、絵文字を使って楽しい雰囲気をつくるのも上手です。何か秘密があるのでしょうか?
押切さん:どうやら人間の脳はポジティブな言葉を「誰に向けて発したか」を区別できないらしいので、他人に発した感謝の言葉で自分自身も幸せな気持ちになれると考えました。(笑)
レオスは会社として感謝のメッセージを贈ることを推奨していて、Uniposのサービスを導入しています。それならもう、使わない手はないと思っています。
私はメッセージを投稿する時間を、毎週金曜日16時半から17時に決めていて、「Uniposタイム」と名付けています。
この時間だけでメッセージを考えるのは難しいので、日ごろから別にメモを作って感謝したい出来事をストックしています。投稿の心理的ハードルを下げるために、メッセージの文章量もその時々で変化します。「〇〇さん、××の件ではありがとうございました!」と簡潔に済ませることもありますし、しっかり書ける余裕がある時には「誰が、どのような仕事をしてくれて、それによって自分がどんなふうに助かったのか、嬉しかったのか」を丁寧に書きます。毎週ポイントを使い切るために、かなり仕組化していると思います。
いずれの場合も、相手に対して感謝を伝えると同時に「次もよろしくお願いします」という気持ちを込めています。
――なるほど、この仕組化はとても参考になりますね。「ありがとうのメッセージを伝え続けるのは、けっこう難易度が高い」というのは現実問題としてあるのだと思います。
レオス社内でも、全員が積極的にUniposを利用しているわけではありません。もちろん義務ではないですし、無理をしてメッセージを贈るのも意味がないと思います。しかし、誰かのいいところを見つけたいという課題に正面から取り組むことで、仕事をするうえで良い循環をつくることができるのかもしれません。
コロナ禍を経て変わった、コミュニケーションによる感動の振れ幅
――石川さんは4名中唯一、管理職(部長)の立場です。総務部10名のメンバーと、Uniposを通してどのように関わっているのでしょうか。
石川さん:私は二つの観点から、Uniposを利用しています。
まず一つは、管理職という立場にあって自分が関わってる人の良いところを見ることを心掛けています。総務部のメンバーについては普段から気にかけて見ているわけですが、「今週は特にこれがよかった」といったことにフォーカスして、伝えるようにしています。「あなたの頑張りはちゃんと見ていますよ」というメッセージでもあります。
もう一つは働いている中で、自分の心が動いた時を気にとめておくようにしています。誰かがすごく頑張っていて自分が励まされたとか、誰かの優しさやその人の良さに触れた時に、「レオスで働いてよかったなあ」「こういう感動がもらえて嬉しいなあ」と思うので、その気持ちを感謝のメッセージとして贈ります。
石川さん:実はコロナ禍以降、感動の振れ幅が大きくなったように感じています。
感染が拡大し大変な時期には自分のことで一生懸命で、皆さん本当にいろんな試練があったと思います。そのような中で会社に来てみると、黙々と頑張っている人のことが見えたりしてハッとしました。今まで会社にいたときには気づかなかったものが視界に入ってくる感じです。会社に来る人も少ない中で、一つのコミュニケーションが貴重でしたよね。自分のことに精一杯な時こそ、ちょっと誰かからいただく言葉がありがたかったりしました。
コロナ禍以降に入社した人も多いので、その人たちが「こういうとこを頑張っていますよ」と社内に伝わればいいですよね。
押切さん:私もUniposの投稿をコンスタントにやろうと思ったのは、コロナ禍で自分の幸せについて考えたことがきっかけでした。自分の幸せって何だろう、周りの人に感謝の気持ちをもっと伝えた方がいいんじゃないかと思いました。
「なんだか優しい」コミュニケーションは、意識してつくられている
石川さん:自分の気持ちをどう表現するかということは、考える癖がついたかもしれません。メッセージは文字にして送るので。どうやって上手く表現するのか、難しいですけどね。
渡邊さん:学生の時に関西に住んでいたのですが、その時に関西の人たちがすごくカジュアルに「ありがとう」と言うことに衝撃を受けたんです。スーパーでもコンビニでも、「ありがとう」「おおきに」って挨拶みたいに言いますよね!私はそれがとてもいいなと思って、それ以来は自分でも日常生活で実践しています。
最近ではUniposの使い方も、業務のことに限らず「〇〇さんが何だか面白いことをしている」「社内にこんな面白い人がいるよ!」と誰かに知ってもらいたくてメッセージを投稿したりします。(笑)
――今回4名の方にお話を聞いて、「ありがとう」は一日にして成らずということを実感しました。コミュニケーションに特殊なスキルがいるわけではないと思いますが、ぼんやり考えていても言葉は出てこないですよね。皆さんのお話を参考に、私もいろいろ試してみようと思います。
▼「ひふみフォーラム2023」について
さて6月のイベントでは、この分野の専門家である田中 弦さんをお招きします。働くうえで「ありがとう」というコミュニケーションは組織にどんな影響をもたらすのでしょうか。
お話をうかがうのが楽しみです!
田中 弦さんをお招きするイベント詳細はこちら↓
6月24日(土)13:00~日比谷国際ビルコンファレンススクエアにて開催します。また、YouTube Liveにて配信予定です。
「ひふみフォーラム」は、レオスが運用する投資信託「ひふみシリーズ」のブランドコンセプト「次のゆたかさの、まんなかへ」について、「ゆたかさって何だろう?」というのを多彩なゲストをお招きして当社メンバー・参加者の方々と一緒に学びながら深めたいと思い開催しているイベントです。
▼イベント参加方法
会場への参加お申込みは6月15日(木)23:59まで!
YouTube Live配信はこちら(申込不要、どなたでもご視聴いただけます)
▼イベントでの企画
当日ゲストやレオスメンバーに聞いてみたいことも募集していますので、こちらからぜひお寄せください↓
https://enquete.eventos.tokyo/vote?key=4PhhDvjC8BOxY0rTukCh
皆様のご参加を心よりお待ちしております!
※セミナー等で金融商品の説明等をすることや、お客様からのご依頼がある場合に金融商品に関する追加の説明等をすることがあります。しかしながら、売買の推奨等を目的とした投資勧誘は行ないません。また、金融商品の案内、説明等はあくまで各お客様ご自身のご判断に資するための情報提供目的であり、金融商品の購入等を推奨するものでもありません。
次回は、ゲストとしてご登壇いただく肉乃小路ニクヨさんをご紹介いたします。(6/12に更新予定)
ご期待ください!