第7期叡王戦を通して感じた将棋に夢中な人たちの熱
こんにちは。ひふみラボ編集部赤池です。
レオスが特別協賛をつとめた「第7期叡王戦」は藤井聡太叡王が挑戦者・出口若武六段に3連勝し第3局で同タイトル史上初の防衛を決めました。
ひふみラボnoteでは、レオス社員が対局の舞台裏をレポートしてまいりましたが、将棋の奥深さや棋士の方々の将棋愛、将棋ファンの熱に圧倒されすっかり将棋の魅力にハマったメンバーの想いが込められています。
第1局レポート↓
第2局レポート↓
第3局レポート↓
今回は、他のメンバー同様すっかり将棋の世界に魅了された私が、6月18日(土)に京都で行なわれた藤井聡太叡王の祝賀会の様子をレポートします!
京都のファンの想いで実現した祝賀会
祝賀会は京都・三条にあるホテルオークラ京都で行なわれました。
藤井叡王の地元は愛知県なので、どうして京都?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
この日は第7期叡王戦五番勝負の第5局が京都・北野天満宮で行なわれる予定でしたが、第3局で勝敗が決しました。対局は実現しませんでしたが、会場であった北野天満宮では同日午前に子どもたちの将棋大会が開催され、藤井叡王も会場にかけつけ子どもたちとの交流を楽しんだようです。
また、第5局は地元・京都に本社を置く月桂冠さんも協賛しており、京都の将棋ファン、協賛社、将棋連盟のご尽力によりファンを招いての華やかな祝賀会が実現しました。
祝賀会前の関係者控室では藤井叡王も協賛各社や北野天満宮の関係者と共に過ごされ、写真撮影にも応じていただきました。
対局の時とは違った藤井叡王の柔らかい笑顔が印象的でした。
祝賀会は主催の不二家さんの富永常務が当日会場には来ることができなかった河村社長からの手紙を代読され、その他日本将棋連盟の理事である井上慶太九段、第5局の協賛である月桂冠さんの大倉社長が京都開催への想いを語られました。
また、抽選で選ばれたファンからの花束贈呈や、京都ということで京都五花街のひとつ上七軒(かみしちけん)から舞妓さん・芸妓さんによるお祝いの舞が披露されました。
当社の藤野も、
「私は一将棋ファンであり、すべての対局を会場で見ていました。第6期から特別協賛として参加していますが、藤井叡王がこの将棋界に現れて瞬く間に五冠になり一大旋風を巻き起こしました。かつ、AIによる将棋が普及し、その力は棋士を上回っているかもしれない。
他にも若い棋士が出て来て藤井叡王が将棋界でも規格外な強さを誇る現在の将棋界の中で、棋士の皆さんはどのように感じているんだろう、と興味津々でした。
対局会場にはたくさんの棋士の方々が実際の中継をみながら検討会をしているんです。その時の皆さんの表情がすごく楽しそうなんですよね。」
「僕は、「若い強い棋士が現れてどんな気分ですか?ドキドキしませんか?」と不躾にも(笑)聞いたんです。
そしたら「いやいや楽しいですよ!本当に将棋がこれまで以上に楽しくなってわくわくしています」と皆さん少年のように目がきらきらしてるんですよね。
AI将棋の登場や藤井叡王のような若手棋士の活躍によって、新しい将棋の世界が切り開かれてきたので、将棋界全体が活気づいていると感じます。
将棋連盟会長の佐藤康光九段も、「藤井さんの将棋はよくわからないんだよ。でもすごい手が出るし、面白い」と話していました。
そして近々藤井叡王との対局が決まっている佐藤九段に「気持ちはどうですか?」、と聞いたら「負けませんよ!」と力強くおっしゃっていた。
新しい才能が出て来て、ますます盛り上がって、かつ新しいファンが出てきたことは叡王戦を伴走している身としてとても嬉しく思います。」
と挨拶し、将棋界の若い力とそんな若手棋士に負けたくないベテラン棋士の方々の熱い気持ちのぶつかり合いとこれからの将棋界への期待をのべました。
垣間見える弟子への愛情
会場では主催の将棋連盟さんを代表して理事である井上慶太九段が冒頭での挨拶と、後半で行なわれた藤井叡王との最終局の大盤解説をなさっていました。
井上九段は今回の挑戦者・出口六段の師匠です。
井上九段は要所要所で会場をくすっと笑わせる面白いトークをなさるのですが、挨拶の際には愛弟子の姿を思い出していたのか、少し複雑な表情にも見えました。
「まずは藤井さん叡王戦おめでとうございます。私が言うと含みがあるように思われるかもしれませんが(笑)ただ、もうちょっとね、なんとか、5局まで対局を見たかったなあという気持ちもあります。
振り返ると1局目と2局目は出口君も慣れなかったというか、堅さがあったのかなと思います。第3局は、本当にタイトル戦の雰囲気にも慣れ、力を発揮して藤井さんもあわてた場面があったのではないかと思います。力及ばずというところでしたが各開催地で出口君にも応援とねぎらいの言葉をかけていただいて本当にありがたかったなと思います。
叡王戦はこれまで、タイトルホルダーが毎年変わるというジンクスがありましたが今回連覇され、これからますます連覇目指して頑張っていただきたいと思います。」
出口六段への愛情を表しながらも対局者だった藤井さんへの尊敬の念は忘れない、井上九段のお心に胸が熱くなりました。
ファンの熱視線が集中!
祝賀会には抽選で選ばれた将棋ファンも約50名参加されていました。そのほとんどが女性ファンです。
私は藤井叡王の一つうしろのテーブルにいたのですが、振り返ると憧れの藤井叡王と同じ場所で食事をしながら共にできる時間を目いっぱい記憶に焼き付けんとばかりに、自席からカメラを向ける姿がちらほら見えました。
会の終盤で行なわれた抽選会は、藤井叡王が抽選ボックスで抽選をし、番号を読み上げます。自分の番号を呼ばれたファンの方は大喜びし、同じテーブルのファン同士で景品を見せ合っていました。
今回の祝賀会は、大好きな棋士の特別な瞬間を一緒にお祝いできる、ファンにとってはずっと続いてほしい特別な時間だったのでしょう。
これからも夢中と共に!
第7期叡王戦を通じ、藤井叡王、出口六段をはじめ多くの棋士の方々の将棋への愛情やお人柄を間近で見ることができ、皆さん本当に「将棋に夢中」なのだと感じました。
夢中で将棋に取り組むからこそ、目の前の1手1手を全力で考え抜き、結果に涙したり、また次の対局に向かって努力を重ねていけるのでしょう。
そんな棋士の周りにはエネルギーが溢れ、その熱が見ているファンに伝播して一緒に胸を熱くできるのだと思います。
第1局の感想戦。対局時の張り詰めた空気から解放され、本当に楽しそうに対局を振返っていた藤井叡王と出口六段
私たちは、そういったエネルギーをもって挑戦する人の可能性を見つけ、応援することも投資だと考えています。
将棋界のみでなく、日本中・世界中に何かに夢中で頑張る人を、私たちは投資を通じて応援することで、よりわくわくする未来を共創していきたいと思います!
第6期・第7期叡王戦の過去のレポートはこちらのマガジンでまとめています↓