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【舞台裏レポート②】憧れの棋士との交流。叡王戦第2局

こんにちは。ひふみラボ編集部です。

レオス(ひふみ)が特別協賛をつとめる将棋の八大タイトルの一つ「第6期叡王(えいおう)戦」の五番勝負が始まりました。
全棋士による段位別予選と本戦を勝ち抜いた藤井聡太王位・棋聖が、豊島将之叡王に挑戦する五番勝負を行ない、先に3勝した棋士が「叡王」の称号を獲得します。

今回も、レオスの将棋部のメンバーを中心に叡王戦の前夜祭、そして対局のレポートをお送りします。

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第6期叡王戦第2局は山梨県甲府市で8月3日に開催されました。
山梨県といえば今年生誕500年の武田信玄公。本対局もまさに「風林火山」だったのですが、まずは、対局日前日の前夜祭から、ダイレクト営業部の水野(当社将棋部・将棋ウォーズ初段)がお届けします。

今回の対局と前夜祭が行なわれたのは甲府駅からほど近い湯村温泉郷にある「常磐ホテル」さんです。
天皇陛下や皇族のみなさまもご宿泊された由緒あるホテルです。
将棋や囲碁のタイトル戦の会場としても数多く利用されていますので、将棋・囲碁ファンであればピンとくる方もいらっしゃると思います。

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前夜祭は夢のような時間

将棋のタイトル戦はほとんどの場合、ホテルや旅館で対局が行なわれます。その際にほぼ毎回行なわれているのが「前夜祭」です。
対局日の前日の夜に行なわれる前夜祭は、タイトルホルダーと挑戦者、ゲストの棋士が多数参加し、全国から集まった将棋ファンや来賓、地元の関係者や報道関係者などが参加する盛大なイベントです。ファンにとっては、棋士とお話ししたり、写真を撮ったりと近くで接することが出来る貴重な機会です。
しかしながら、今回の前夜祭は、コロナ禍ということもあり、日本将棋連盟のみなさん、常磐ホテルさんにより安全面に配慮したうえで、関係者のみでの開催となりました。

まず、主催者である不二家河村社長、日本将棋連盟鈴木大介常務理事、そして特別協賛である当社からは常務取締役の岩田と関係者挨拶があり、そして豊島叡王と藤井二冠が関係者への感謝と抱負をそれぞれ述べられました。

対局者のお二人は、明日に備えここで退席されましたが、記念写真も撮っていただきました。

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豊島叡王と藤井二冠の退席後は、立会人である青野照市九段が乾杯の音頭をとり、関係者夕食会が始まりました。
将棋ファンである私は、青野流で知られる青野照市九段、藤井二冠が更新するまで最年少タイトル獲得の記録保持者であった屋敷伸之九段、羽生七冠の一角を崩した三浦弘行九段、日本将棋連盟女流棋士会の会長である山田久美女流四段、飯野愛女流初段、そして麻雀の強豪としても名高い鈴木大介九段に囲まれての食事で本当に幸せでした。
余談ですが鈴木大介九段には、翌日指導対局もしていただきました。将棋ファンには垂涎ものだったと思います!!

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叡王戦2局目開始!

翌日はいよいよ叡王戦2局目の開始です。
私たちも「初手立ち合い」として、先手の豊島叡王、後手の藤井二冠がそれぞれ一手を差すまで対局室に同席します。先手の豊島叡王が角道を開ける7六歩。後手の藤井二冠は飛車先を突く8四歩と応じました。ずっと近くで見ていたいものの、対局者の集中の妨げになってはいけませんので、私たちは退席して控室に戻ります。

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そこからは、まさに「疾(はや)きこと風の如く」という展開で、私たちが対局室から控室に戻るまでのわずか数分で、お互いの角が駒台に乗っていました。戦型も早繰り銀といって、銀がどんどん前に出ていく形となり、対局開始後30分は考える時間をほとんど使わず進んでいきます。

【図は藤井二冠32手目4五歩】

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(出典:日本将棋連盟ホームページ内「叡王戦中継サイト」)

藤井二冠の32手目4五歩で前に出て行った豊島叡王の銀と歩がぶつかると「徐(しず)かなること林の如く」相手の手を読みながら、一手一手慎重に考える時間が続きます。
このあたりになると、控室にいた青野九段・屋敷九段・鈴木九段・三浦九段ら棋士の皆さんによる検討会が始まっています。そうそうたるメンバーでも豊島叡王と藤井二冠が繰り広げる戦いに「なぜだ?」という声が漏れ聞こえてきていました。
結局午前中は豊島叡王の41手目4五歩でお昼休憩に入りました。

ここまで王様も「動かざること山の如し」で居玉(初期配置)のまま戦い続けています。
ABEMAさんのAIによる評価値も両者互角の形成となりました。

14時からは大盤解説会も見学しました。
大盤解説会とは、一般のお客様も来場なさってプロの棋士が対局を解説する会です。実際の対局と同時進行での解説と棋士の予想も交えてのトークを楽しみに来場するファンの方も多いのだそうです。
第2局の解説は三浦九段、聞き手は山田久美女流四段でした。同じ師匠を持つお二人は息ぴったりで、まるで漫才のようなやり取りに会場の皆様はおもわず声が出てしまうほど笑顔にさせていただきました。一方的に話すのではなくお客様とコミュニケーションを取りながら進行していく姿は見習うべき点が多々ありました。

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“火の如く” 攻め合いの展開に・・・ですが

【投了図】

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(出典:日本将棋連盟ホームページ内「叡王戦中継サイト」)

最終的に本局は藤井二冠が優勢の局面もありましたが、豊島叡王が粘り抜き逆転勝ちを収めました。
しかしながら、最後の場面も豊島叡王があと一手指せれば勝ちという場面で、藤井二冠が30手ほど豊島叡王の王様を攻撃し続ける王手ラッシュ。
対応を間違えれば豊島叡王が負けになる罠もたくさん仕掛けられていたようで、最後まであきらめない藤井二冠と、それを読み切る豊島叡王。しかも一手に1分しかかけられない「1分将棋」という状況の中で当たり前のようにそれを指していく。やっぱりプロってすごいですね!

長く愛されるために

今回、現地で前夜祭への参加、対局を観戦させていただき体験したことは、私にとって学ぶべきことばかりでした。長く続く将棋文化の裏側には、将棋界を支える方々の献身的なサポートがあり、今回は将棋界のファン作りの一面にも触れることができました。そしてこれをいつかひふみのお客様にも還元したい!そう素直に感じさせていただける2日間でした。また、将棋ファンとしても大変幸福な事でした!!


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