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【舞台裏レポート①】叡王戦成功祈願と第1局

こんにちは。ひふみラボ編集部です。

レオス(ひふみ)が特別協賛をつとめる将棋の八大タイトルの一つ「第6期叡王(えいおう)戦」の五番勝負が始まりました。
全棋士による段位別予選と本戦を勝ち抜いた藤井聡太王位・棋聖が、豊島将之叡王に挑戦する五番勝負を行ない、先に3勝した棋士が「叡王」の称号を獲得します。

今回は、レオスの将棋部のメンバーを中心に叡王戦の前夜祭、そして対局のレポートをお送りします。

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第6期の叡王を決める五番勝負が始まりました!
記念すべき第1局は、江戸総鎮府 神田明神で開催されます。
対局前日に開催されたイベントや対局当日の状況などを広報担当の中川(将棋初心者)がレポートいたします。

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まずは成功祈願

最初の集合場所は明神会館1階の「平成の間」です。ここで、関係者の方々とご挨拶をしていたところなんと藤井二冠が少し早めに会場入りなさいました。
さすがに人気者、たくさんの方々に終始囲まれておりましたが、私も運よくツーショットで写真撮っていただきました。

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時間になったところで、本殿に移動して、成功祈願をします。
対局者と立会人、関係者の代表が浄衣(首かけ)を身に着け、神田明神のご祭神であるだいこく様、えびす様、そしてまさかど様(平将門公)の御霊の前でご祈祷、お祓いをいただきました。ちなみに、立会人とは、タイトル戦の進行を仕切り、問題が生じた場合の仲裁・裁定を行なうなど、対局が問題なく行なわれるように見届ける人のことです。
第1局の立会人は島朗九段です。島九段は1988年の初代竜王になられた方です。大物の貫禄が半端なかったです!!

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ここから、翌日の対局場に映って対局検分を実施します。
対局検分とは、対局者の方々が実際の対局場に赴いて対局で使用する盤・駒・駒台の確認や、会場の室温・照明の具合や、将棋盤の位置、立会人・記録係が着席するテーブルの配置の調整などを行ないます。2種類の駒から対局で使用される駒を選び、お茶やお菓子を置く場所なども確認されていました。

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今回、協賛をつとめる不二家の河村社長と当社社長の藤野との幻の対局も!?

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叡王と挑戦者が見せた静かな闘志

その後は、記者会見です。
豊島叡王、藤井二冠それぞれお一人で記者会見席にお着きになり、記者の質問に答えます。やはり注目は王位戦に続くダブルタイトル戦。しかし、王位戦での藤井二冠の印象について問われた豊島叡王は「特に印象が変わることはない」と淡々としたお答えをなさっているのが印象的でした。
一方の藤井二冠は豊島叡王への対策について「常に挑戦者として全力を尽くすだけ」と静かな闘志を見せていました。

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最後に、明神会館に移って関係者のみによる第1局開幕のご挨拶です。
主催者挨拶として株式会社不二家の河村社長と日本将棋連盟の佐藤会長がお話しになられた後、特別協賛社として当社社長の藤野がご挨拶を行ないました。

藤野は「1ファンとして観ていた将棋のタイトル戦をスポンサーという支える立場で観戦できることは非常に感慨深い。豊島先生、藤井先生という今の将棋界を代表するお二人のタイトル戦となって、盛り上がること間違いないだろう。最後の最後まで楽しんで見守りたい」と話をしました。

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そして、最後には豊島叡王、藤井二冠が対局者として、関係者の方々への感謝の意を述べられるとともに、対局に向けた抱負を語っていただきました。

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通常であれば、この後食事会が予定されていたのですが、緊急事態宣言下ということもあり、本日はこちらで終了、明日の対局に向けて静かな前夜祭となりました。

緊張感漂う勝負開始の時

対局当日は、開始の30分前に集合して、対局室へ向かいます。
昨日と打って変わって対局室は、静かな緊張感に満ち溢れています。関係者の中から代表者が「初手立ち合い」として、初手(最初の一手)を指すまで対局者と一緒に着席します。当社からはダイレクト営業部長の水野が立会人となりました。

水野は当社の将棋部では藤野を除いて一二を争う棋力です。そんな水野も「とても緊張していつも猫背の私でも背筋がピンと伸びました。でも本当にいい経験ができました」と、とても満喫していました。

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実際の初手、振り駒で先手となったのは藤井二冠です。9時の対局開始とともに即座に指した手は「2六歩」、飛車先の歩を突くところから始まりました。

今回の叡王戦は、不二家さんが主催なので、対局の途中の「おやつ」にも注目が集まっています。事前にそれぞれの対局者の好みを聞き取りされてご提供なさるとのことで、豊島叡王はアーモンドショコラ、藤井二冠は熊本県産球磨栗使用のプレミアムモンブランを午前のおやつとして召し上がられました。
頭を使うと甘いもの食べたくなりますもんね。長丁場になる本日の対局での重要な糖分補給になったのではないでしょうか。

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関係者が対局を観戦する待合室では、立会人である島九段と日本将棋連盟会長の佐藤九段の対局解説というレアな風景も見ることができました。
本来なら一般のお客様もお招きして大盤解説会の開催も予定されていたとのことですが、残念ながらこちらも緊急事態宣言下のため中止になりました。

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対局は、序盤に飛車と角を交換するという珍しい展開、お昼休憩をはさんで、中盤は手が進むたびに形勢が変化する激しい展開になります。60手目辺りから差し手のペースが上がり、64手目辺りから一気に藤井二冠の流れとなり突然終局が近づきます。

そして、とうとう89手目で両者持ち時間がなくなり1分将棋になりました。秒読みの中、目まぐるしい展開となり、初心者の私にもドキドキと対局の緊張感が伝わってきます。そして、95手目、藤井二冠、勝ちを読み切ってマスクを着けました。藤井二冠の手を受けて豊島叡王もマスクを着けます。これが勝負ありの合図!
95手で藤井二冠の勝利となりました。藤井二冠、タイトル奪取に向け一歩前進です。

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(日本将棋連盟ホームページ内「叡王戦中継サイト」より)

ここで終了と思いきや、驚いたことにここから1時間程度「感想戦」といって今日の対局を振り返ります。本日差した手を全て記憶されているのも驚きですが、8時間余りの激闘の後に、さらに1時間も将棋について語り合う、そのタフさに驚きました。水野いわく、強くなるためには感想戦をしっかりとやることが大切とのこと。
勝利の感想について藤井二冠は「王位戦から続いて豊島叡王に3連勝となったのも幸運の賜物。苦しい場面もあったが二局目に繋げていきたい」ととても謙虚なコメントでした。

伝統を継承するための大切な一瞬

初めて将棋をライブで観戦しましたが、1手について30分、40分と時間を使って思考する姿が印象的でした。例えば、テストの問題なんかを色々紙に書いてみて考えるというのはありますが、何も書かずに頭の中でのみ長考するというのは凡人の私にはとても難しい作業です。5分位でパンクする、というか何を考えていたのか忘れそうです。テラバイト級の記憶処理容量なんですかね…。

また、将棋のタイトル戦の関係者として、通常見ることのできる「対局」以外のさまざまな行事に参加させていただき、これまで培われた将棋文化の重みを学ぶことができました。もちろんその将棋文化の中心にいらっしゃるのは厳しい勝負の世界を生き抜く棋士の方々であると思いますが、その棋士の方々をサポートする関係者の一員になれたというのは誇らしいですし、可能な限りサポートしていかなければならないという、責任感を痛感しました。
レオスのCSR活動の幅が広がった、とても大切な一瞬に立ち会えて本当によかったと思っています。

対局者のお二人は長時間の激闘本当にお疲れさまでした。

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