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【舞台裏レポート⑤】ファンを魅了する新・叡王の誠意と熱意

こんにちは。ひふみラボ編集部です。

レオス(ひふみ)が特別協賛をつとめる将棋界8大タイトルの一つ「第6期叡王戦」は9月13日に最終第5局が行なわれました。
激闘の末、藤井聡太王位・棋聖が制し、史上最年少三冠となりました。

最終局の裏側は、パートナー営業部三田村(将棋は中学生のときに少しだけ経験)がレポートいたします。

将棋会館へ

当日は9時の対局スタートに合わせ、私たちの集合時間は8時20分でした。
東京に不慣れな私は早めに出発しようと、当日5時半に起床し、叡王戦決戦の場所・将棋会館に到着したのは7時30分。

集合時間の1時間も前に到着てしまったので、将棋会館の周辺をぶらぶらと散策をしていました。すると、入り口の前で足を止めて建物をじっと見つめる人が何名もいらっしゃいました。豊島叡王、藤井二冠の最終局の注目度はやはり高い…と肌で感じた瞬間でした。

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叡王が決まる対局室へ

8時40分頃、立会人の控室から対局室へ向かいます。
対局室は厳かな雰囲気で、撮影のためのカメラ音と撮影スタッフの方の足音だけが響いていました。
関係者の中から代表者1名ずつ「初手立ち合い」をするのですが、レオスからは私が立ち合いをやらせていただけることになりました。

立ち合いの席に着いて盤上を見つめていると、豊島叡王、藤井二冠が入室されました。2名とも風のように颯爽と横を通られてご自分の席へと向かいます。
藤井二冠は巾着から予備のマスクとアルコールシートを出し、ご自身の脇に置きコロナ禍の対局ということでしっかりと対策もされていることがうかがえました。

それぞれの準備が整うと、豊島叡王が将棋の駒を丁寧に取り出し盤上に出し、豊島叡王、藤井二冠が交互に盤上に並べていきました。
二名とも駒を置くたびに「ポンポン」と指先で駒を触りずれがないようにきれいに並べていました。駒を置いていくその二人の姿は、共同で盤上に絵を描いているように見えました。

盤上に駒が並べられると、先手・後手を決める「振り駒」が始まりました。記録係の方が振り駒をするための布を取り出し、準備を進めます。
準備中には豊島叡王、藤井二冠はほとんど表情を変えることなく盤上を見つめられていました。
そして振り駒の結果、藤井二冠が先手となった瞬間も二人とも表情を変えることがありませんでした。

その後、対局開始まで時間があるのですが、この間の緊張感が「ぴりぴりするような雰囲気」「空気が張り詰める雰囲気」なのか表現が難しいのですが、私にも伝わってくるものがありました。
しかし豊島叡王は表情を変えることなくじっとされており、藤井二冠はずっと盤上を見つめ、時折扇子を握るなどいつも通りという様子で、私が感じる雰囲気はどこから出ているのだろうかと、不思議な気持ちになりました。

9時になり、対局開始の合図が出ると藤井二冠がまず一口お茶を飲み、一手目を指しました。
豊島叡王が2手目を指したところで、私たちは退室します。

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特別対局室入口

将棋の神様と将棋飯

控室ではレオス・将棋部の水野と話をしながら、対局を配信するインターネットテレビ「ABEMA」で対局を見ていました。
対局は順調に進む中、AIの判定は両社五分五分で進んでお昼休みになりました。
私と水野はお昼休みの時間を使って将棋会館のすぐ近くにある鳩森八幡神社へお参りに行きました。最終局の成功を祈念し、将棋のお守り「王手勝守」を購入しました。このお守りは金色なのですが、オリンピックの金メダルをイメージして金色にしたという逸話があるそうです。

お昼ご飯は日本将棋連盟の方に教えていただいたプロ棋士御用達のお店「ほそ島や」に行ってきました。お昼から合流した藤野と水野と私の3人で「将棋飯」を堪能しました。

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決着!新叡王誕生

午後の対局では次第に駒運びがゆっくりとなり、双方じっくりと考え一手一手を丁寧に指す流れに変わっていきました。
対局が大きく動いたのは日も落ちた頃です。
藤井二冠の▲9七桂。この手はAI上の評価はよくなかったのですが、実際は勝ちへの最短ルートだったということで藤井二冠の真骨頂が素人目にもわかる一手でした。
これが決め手となり、豊島叡王は粘ったものの、最終的には豊島叡王が投了し111手目で藤井二冠が勝利し、藤井叡王が誕生しました。

感想戦が終わると会場を移して、記者会見が行なわれました。
会場では勝利した藤井二冠へ、記者さんからたくさんの質問が寄せられていました。
印象に残っているのは質問への回答への姿勢でした。テレビのニュースでは伝わりにくかったかと思うのですが、実は質問はたくさん寄せられており、長時間の対局の後で回答するには大変な量でした。その質問に対して藤井新叡王は一つ一つ考えながら丁寧に回答をされており、将棋の力はさることながら、関係者にも真摯に向かい合う姿勢を最後に見ることができました。

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最後に

私は第1局から第4局までひふみラボを通して叡王戦を追っていましたが、最終5局で実際に叡王戦を間近で見ることができました。
その中で一番印象に残っているのは第五局の初手です。
叡王が決まる最終局に向けて、どれだけの準備をされていたのでしょうか。素人の私には到底理解することはできないですが、あの真剣なお二人の表情からは並々ならない準備があったことが伝わりました。1局1局に全力で向き合い、熱戦を繰り広げ観衆を魅了したお二人の姿を見て感動するとともに、私自身も投資家の皆さまへ真剣かつ全力で向き合っていこうと気持ちを新たにしました。

最後になりますが、お二人の名対局が生まれたのはたくさんの関係者の方々の支えも大きかったと思います。私自身はレオスで一緒に働くことができている社員全員への感謝の気持ちを忘れずに明日からの業務に向き合っていこうと思います。
将棋に接したのは久しぶりでしたが、私が感じた「盤上に留まらない将棋の楽しさ」が皆さまにも伝わると嬉しいです。