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痺れる心と体。挑戦者の想いを想像してこぶしを握った対局【第7期叡王戦観戦記②】
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痺れる心と体。挑戦者の想いを想像してこぶしを握った対局【第7期叡王戦観戦記②】

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こんにちは。ひふみラボ編集部です。

5月15日(日)、レオスが特別協賛をつとめる第7期叡王戦五番勝負の第2局が愛知県名古屋市にある「名古屋東急ホテル」にて行なわれました。

藤井聡太叡王の先勝で迎えた第2局は、終盤に同じ局面が4回繰り返される「千日手(せんにちて)」が成立し「指し直し」という波乱の展開でしたが、結果は藤井叡王が勝利し、タイトル防衛に王手をかけました。

会場がある名古屋市は藤井叡王の故郷ということもあり、地元ファンも大注目の対局となりました。
今回は、第2局の前日の様子から、経営企画&広報・IR室の古市がレポートします。将棋はまったくの初心者だという古市ですが、彼にはこの対局がどのように映ったのでしょうか。まっすぐな感想・感動をお伝えします!

第1局観戦記はこちら↓

対局前夜の開催式、気持ち高まる

対局前夜、対局会場である「名古屋東急ホテル」で開催式が行われました。名古屋東急ホテルはヨーロピアンテイストの気品漂う空間が演出されており、高い天井が印象的です。
新卒2年目の私にとって今回の叡王戦が初めての出張であり、叡王戦参加へのドキドキと出張というワクワクで胸がいっぱいでした。

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開催式には対局を控えた藤井聡太叡王、挑戦者の出口若武六段はもちろん、棋戦主催者や協賛各社の方々が参加していました。私は社会人になって初めて購入した名刺入れを握りしめ、関係者の方々と名刺交換させていただきました。

開催式は主催・協賛各社の代表挨拶から始まり、最後に藤井叡王と出口六段が翌日の対局に向けた抱負を語りました。
藤井叡王は地元・名古屋での対局ということで地元ファンに対する言葉を、出口六段はタイトル戦初勝利への意欲を語られ開催式は幕を閉じました。

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対局前日のお二人と記念撮影

プロ棋士との食事

開催式終了後、主催者や協賛各社などが参加する関係者食事会が開催されました。食事会では、同じテーブルに当日の大盤解説を担当されたA級棋士の稲葉陽八段、室谷由紀女流三段がいらっしゃり、将棋に関するお話から趣味や休日の過ごし方まで、お二人の人柄が分かるようなお話もたくさんできました。話が盛り上がりすぎてしまったため、食事会終了時間になっても私たちのテーブルだけが食事が終わっていない状態でした(笑)

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プロ棋士との貴重な時間とおいしい食事で大満足です

挑戦者の覚悟 痺れる「初手立会い」

対局当日、私は対局の「初手立会い」に参加させていただきました。午前8時半に対局会場に到着し、藤井叡王と出口六段の入場を待ちます。最初に対局会場入りしたのは挑戦者の出口六段でした。出口六段が着席すると、会場は独特の緊張感に包まれます。

私の目の前に出口六段がいらっしゃったので、対局前の様子をじっと見ていました。時折強くこぶしを握りしめうつむく様子に、挑戦者としての迫力を肌で感じました。

前日の食事会でご一緒した稲葉八段は出口六段の兄弟子とのこと、食事会の際、出口六段がプロ昇格後なかなか勝てなかったというエピソードや、初挑戦のタイトル戦にかける想いをうかがっていました。

タイトル戦の挑戦者にとって、第2局など偶数局での勝利が重要と言われているそうで、第1局に敗れ、負けるわけにはいかない出口六段の心境を想像すると、胸が張り裂けそうになりました。

唾を飲んで会場で待機をしておりましたが、数分後に藤井叡王が到着し、会場は対局者の心臓の鼓動が聞こえてきそうなくらいさらに静かになり、棋士の感情を直に感じられるようでした。

そんな緊張に包まれた空気の中、午前9時、先手である挑戦者出口六段が初手を指し、第2局は幕を開けました。

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余談となりますが、初手立会いをしている30分の間、私は正座で見守っていました。開始5分くらいで足の感覚がなくなり、声を上げたくなるほど足が痺れていました。
棋士の方々は対局中に何時間も正座されていることを考えると、本当に頭が上がりません。前日の食事会で稲葉八段、室谷女流三段に「正座ってしんどくないのですか?」と質問したところ「慣れますよ」と回答いただきました。正座って慣れるんですね(笑)

初手立会い後、関係者は待合室に移動し、テレビ画面越しで対局を見守っていました。

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待合室では日本将棋連盟会長の佐藤康光九段に局面の解説をしていただき、対局の今後の展開について詳しく教えていただきました。

会場全体が驚愕 まさかの「千日手」

午後からは大盤解説会場に移動し、稲葉八段と室谷女流三段の解説をききながら対局を観戦しました。

将棋は「取った駒を再利用できる」という点がチェスや囲碁と異なる点であり、駒の動かし方には無限のパターンがあります。
その中から最適な1手を考えるには、相手の頭の中をのぞき、様々なパターンを脳内テストする必要があります。これを将棋界では「脳内将棋」と言うそうです。大盤解説では局面別に様々なパターンの指し手、展開を解説していただけたので、初心者である私でも対局の観戦を楽しめました。

対局が終盤に差し掛かったところで、「もしかすると、千日手という展開もあるかもしれません(笑)」と冗談半分で解説をしていました。
千日手とは同じ局面が4回繰り返される手であり、この手が指されると対局が1からやり直しになります。
会場全体も「それはないだろう」と言わんばかりに笑いが起こっていましたが、なんとその千日手が成立したのです。千日手が指されたことについて藤野も驚いており、室谷女流三段曰く、「100回見て1回あるかないか」というほど稀なことだといいます。出口六段も、解説者も、会場にいた将棋ファンも意外な表情を隠せない様子でした。

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千日手の成立により、即日指し直しとなった第2局。残り時間の少ない方の持ち時間は1時間に設定され、対局が初手から指し直しとなります。午前9時から始まった対局は千日手成立時点で約7時間半経過していることを踏まえると、棋士のお二人も相当疲労していたのではないでしょうか。

その後の大盤解説には藤井叡王の師匠である杉本昌隆八段が登場し、千日手となった理由について「藤井叡王の読みが外れた展開になっており、局面に自信がなかったのかもしれない」と見解を述べていました。

対局後の会見で藤井叡王は千日手となった理由について、
「序盤で失敗したため、リスクの多い局面が多かった。千日手はやむを得ないと判断した」と語っていました。

指し直し局は両者の持ち時間が少ないということもあり、テンポよく駒が進みます。中盤、藤井叡王が4四金を指したことにより、対局の流れが一気に叡王に傾きます。会場は藤井叡王の意外な一手に驚愕、稲葉八段も室谷女流三段も「視野の広さがさすが、藤井叡王」と驚いていました。

対局は持ち時間を使い切って「1分将棋」に差し掛かり、両者の激しい攻防が巻き起こりますが藤井叡王の猛攻をしのげず、投了となりました。

出口六段は、先手となった対局ではここまで12連勝の強さを見せていたといいます。この勝負所の第2局で先手となり、考えていた対藤井叡王の戦略もハマり、途中までは優位に対局を進めていました。
千日手で指し直しとなると、先手・後手が入れ替わります。
叡王相手に流れを作る局面もあった中、指し直しとなった出口六段の気持ちを思うと、私も悔しさでいっぱいになりました。

それでも最後の最後まで最善の手を指し続けた挑戦者出口六段を尊敬するとともに、解説者さえも予想できない一手により勝負の流れをつくった藤井叡王の強さを感じた対局でした。

将棋、はじめます

今回、対局を間近で観戦したことで、将棋の面白さを肌で実感しました。将棋は取った駒の再利用があるため、指し手は無限大にあります。その点が将棋の醍醐味であり、一方で難しさでもあります。相手の頭の中を読み、最善の一手を考える過程はビジネスにおける「交渉」と似ている一面があり、将棋脳を鍛えると交渉能力も向上するのでは?と期待しています。

レオスの社内部活動には将棋部が存在し、将棋に詳しい社員が複数名在籍しているため、初心者も将棋をはじめやすい環境です。私も将棋はじめます!

第3局は千葉・柏で開催されます。
このまま藤井叡王がタイトル防衛を果たすのか、それとも挑戦者・出口六段が反撃の狼煙を上げるのか、次回対局もとても楽しみです。

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