【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #75
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最終章 若者にエールを送り続けて (8)
一二〇歳寿命説
そのうち静六は自分の長寿を確信し始めた。
確かに彼の親戚には長寿の人が多い。祖父友右衛門は数えで八六まで生きたし、曾祖母やつは八九、母やそは八五、伯母の金子いの(父親の姉)は九七まで生きた。父親は短命だったことなど都合の悪いことは横において、自分の家系は長命だと信じ込んだ。
大隈重信が寿命一二五歳説を唱えたのは有名だ。早稲田大学大隈講堂の高さは、それにちなんで一二五尺ある。それは生物の成熟までの年数