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【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝

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第14回山本七平賞を受賞され、100年経営の会顧問や、日本将棋連盟アドバイザーなど、多方面でご活躍されている作家・北康利先生による新連載企画です。 日本林学の父、公園の父と呼ば… もっと読む
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2022年9月の記事一覧

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #75

前回はこちら↓ 最終章 若者にエールを送り続けて (8) 一二〇歳寿命説 そのうち静六は自分の長寿を確信し始めた。 確かに彼の親戚には長寿の人が多い。祖父友右衛門は数えで八六まで生きたし、曾祖母やつは八九、母やそは八五、伯母の金子いの(父親の姉)は九七まで生きた。父親は短命だったことなど都合の悪いことは横において、自分の家系は長命だと信じ込んだ。 大隈重信が寿命一二五歳説を唱えたのは有名だ。早稲田大学大隈講堂の高さは、それにちなんで一二五尺ある。それは生物の成熟までの年数

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #76

前回はこちら↓ 最終章 若者にエールを送り続けて (9) 身近な者の相次ぐ死 高齢になって寂しいのは、身近な人が次々と鬼籍(きせき)に入っていくことである。 後藤新平もそのうちの一人だった。 伯爵にまでなり再三首相候補に上ったが、ついにその地位に就くことはなかった。元老の西園寺公望(さいおんじきんもち)とそりが合わなかったことと、軍人が幅をきかす時代が来ていたためである。 政界引退後も東京放送局(現在のNHK)初代総裁、少年団(ボーイスカウト)日本連盟初代総長、拓殖大学第

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #77 (最終回)

前回はこちら↓ 最終章 若者にエールを送り続けて (10) ついに巨木倒れる 晩年になっても静六は活動をやめなかった。 実際、実業之日本社から次々に啓発本が出て、世に本多静六ブームが起きていた。 彼ほどムダに老いなかった人も珍しいが、一方で自分の健康を過信しすぎていた。伊東市内から歓光荘までの山道は曲がりくねって距離がある上に相当な勾配がある。そこを往復するのは、老人には過度な運動だったのである。 いく夫人が病気がちになっていたことも心労の種であった。 そんな中、彼は大

ついに連載完結!北康利先生『本多静六~若者よ、人生に投資せよ~』出版記念イベントのご案内

イベントについてこんにちは。ひふみラボ編集部です。 2021年4月から「ひふみラボnote」で連載を開始した北康利先生による『本多静六~若者よ、人生に投資せよ~』が全77回をもって遂に完結しました。 そして、内容をさらに充実させた書籍が、実業之日本社様より出版されることが決定しました! 連載の完結と出版を記念して、著者・北康利先生と、当社代表取締役会長兼社長・藤野英人のトークイベントを開催します。 トークイベント(リアル会場)のお申し込みはこちらから イベントでは