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【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝

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第14回山本七平賞を受賞され、100年経営の会顧問や、日本将棋連盟アドバイザーなど、多方面でご活躍されている作家・北康利先生による新連載企画です。 日本林学の父、公園の父と呼ば… もっと読む
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#明治天皇

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #52

前回はこちら↓ 【明治神宮 大鳥居】 第四章 緑の力で国を支える (22) 明治神宮建設計画二度の対外戦争に勝利して欧米列強の仲間入りを果たした明治という偉大な時代の終焉は、当時の日本人にとって大きな衝撃であり、明治天皇に対する敬慕追悼の念もまた格別なものがあった。 明治天皇が崩御されてすぐ、 「御陵は是非東京の地にお願いしたい」 という声が東京市民の間から澎湃(ほうはい)とあがったのも無理からぬことであった。 大正元年(一九一二)七月、尾崎行雄の後任として東京市長に就任

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #53

前回はこちら↓ 【造園研究科・林学博士・東大名誉教授 上原敬二】 第四章 緑の力で国を支える (23) 「明治神宮御境内林苑計画」策定仕事の早い彼は神社奉祀調査会の内命を受けた時点ですでに代々木御料地の図面を手に入れており、それを前にひたすら構想を練っていた。 不可能を可能にする作業なのだからもとより大事業になる。本郷はもちろん大車輪の活躍をしてくれるだろうが、人手が足りない。 そこで静六がもう一人目をつけた男がいた。それが上原敬二だった。 上原は東京深川で材木業の家に