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【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝

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第14回山本七平賞を受賞され、100年経営の会顧問や、日本将棋連盟アドバイザーなど、多方面でご活躍されている作家・北康利先生による新連載企画です。 日本林学の父、公園の父と呼ば… もっと読む
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#台湾

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #42

前回はこちら↓ 【玉山】 第四章 緑の力で国を支える (12) 台湾(日本)最高峰への挑戦後藤が静六に依頼したのは、台湾の森林資源の調査と林業育成であった。 台湾総督府民政局の役割は台湾の近代化にある。 その点、林業は将来有望な輸出産業であった。東京農林学校の同級生である齊藤音作が、すでに乃木総督の時に初代山林課長として着任していたが、静六にも協力して欲しいというのである。 乃木総督の台湾開発の進捗がはかばかしくなかったから児玉が派遣されてきたのだ。乃木総督の時代に任命さ

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #76

前回はこちら↓ 最終章 若者にエールを送り続けて (9) 身近な者の相次ぐ死 高齢になって寂しいのは、身近な人が次々と鬼籍(きせき)に入っていくことである。 後藤新平もそのうちの一人だった。 伯爵にまでなり再三首相候補に上ったが、ついにその地位に就くことはなかった。元老の西園寺公望(さいおんじきんもち)とそりが合わなかったことと、軍人が幅をきかす時代が来ていたためである。 政界引退後も東京放送局(現在のNHK)初代総裁、少年団(ボーイスカウト)日本連盟初代総長、拓殖大学第