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【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝

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第14回山本七平賞を受賞され、100年経営の会顧問や、日本将棋連盟アドバイザーなど、多方面でご活躍されている作家・北康利先生による新連載企画です。 日本林学の父、公園の父と呼ば… もっと読む
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【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #69

前回はこちら↓ 最終章 若者にエールを送り続けて (2) 本多静六博士奨学金制度 四分の一天引き貯金を始めて三五年が経過した六〇歳頃には、貯金、株式等の他に山林が一万町歩余り、貸家を含む住宅と別荘六ヵ所という、現在価値にして五〇〇億円は下らないであろう資産を形成するに至った。 だが物事は度をすぎると必ずそこに問題が生じてくる。 そもそも財産が一〇〇兆円にもなるかと言えばそうは問屋が卸さない。どんな国でも、その国の富を少人数の手に握らせておくようなことは許さないからだ。彼

【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #76

前回はこちら↓ 最終章 若者にエールを送り続けて (9) 身近な者の相次ぐ死 高齢になって寂しいのは、身近な人が次々と鬼籍(きせき)に入っていくことである。 後藤新平もそのうちの一人だった。 伯爵にまでなり再三首相候補に上ったが、ついにその地位に就くことはなかった。元老の西園寺公望(さいおんじきんもち)とそりが合わなかったことと、軍人が幅をきかす時代が来ていたためである。 政界引退後も東京放送局(現在のNHK)初代総裁、少年団(ボーイスカウト)日本連盟初代総長、拓殖大学第