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お金に詳しい人はなぜ「iDeCo」を薦める?どれだけお得か計算して、実際に商品を選んでみた

ピースオブケイクでnoteのディレクターをされている平野太一さんによるシリーズ連載、第3回です。

前回は、ファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子さんと一緒に「資産づくり」の第一歩を踏み出した平野さん。

今回のテーマは「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」

わけもわからず薦められるままに口座開設だけはなんとかこぎつけたそうですが、そもそもこの制度がどういう仕組みで、何がお得なのか、しっかり理解してからスタートしたいとのこと。

「iDeCoって何?」という方、平野さんと一緒に学んでください!

みんなどうして「iDeCo」を薦めるのだろう?

前回は、自分のお金の出入りを確認し、自分なりのお金の貯め方・投資のフローを作成した。

貯金をしながら投資も少しずつ始めていく、すなわち「貯めながら増やす」という考え方は、かなり目からウロコだった。

今回は、お金に詳しい人はほとんどやっているというウワサの制度、「iDeCo」がテーマだ。

もともとは、社長の加藤さんから「とりあえずiDeCoはやったほうがいい」と薦められたことが、今回の連載企画のきっかけだった。最近周囲の知り合いでも「iDeCoやってみようかな」という声も聞く。

ただ、そもそもお金に詳しいひとたちがなぜこぞってiDeCoを薦めるのかが、疑問だった。

きっとまだiDeCoを始めていないみなさんも「何からはじめればいい?どこの証券会社で口座をつくればいい?どの商品を選んだらいいの?」と、疑問がいっぱいあることだと思う。

引き続き、ファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子さんに話を伺っていく。

竹川さんのプロフィールはこちら。

出版社や新聞社勤務などを経て独立。2000年FP資格を取得。取材・執筆活動のほか、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)、マネープランセミナーなどの講師を務める。「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)」幹事などを務め、投資のすそ野を広げる活動に取り組んでいる。『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo活用入門』『税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門 』(ダイヤモンド社)など著書多数。

まずはiDeCoのメリットデメリットを整理する

個人型確定拠出年金「iDeCo」とは公的年金に上乗せして自分で年金資産(老後資金)を作っていく制度のこと。自分で商品(預金、保険、投資信託)を選んで運用していき、60歳以降に一時金か年金で受け取るしくみだ。2017年1月から、公務員や専業主婦、企業年金に加入している会社員も含め、基本的に60歳未満のすべての現役世代が加入できるようになったという(企業型確定拠出年金に加入している場合は入れない人もいる)。

おトクなポイントは3つ。
1)掛金を払うときは…「掛金が全額所得控除」になる
2)積立金を運用するときは…「運用して得た利益は非課税」になる
3)積立金を受取るときは…原則課税だが「税制優遇措置」がある

なかでも、1)のポイントが大きいらしい。

積み立て時の掛金が「全額所得控除」。つまり、iDeCoの運用を通して利益が出ていても出ていなくても、掛金分は支払った時点で必ず節税になるという素晴らしい仕組みになっている。

(この「所得控除」がどれだけおトクなのか気になるところだと思うが、それはまた後で書く)

ちなみに、投資の税優遇制度として合わせてよく聞く「つみたてNISA(ニーサ)」は、運用の利益分の税金が免除になるというものなので、利益が出ないと得にならない。

「iDeCoの掛金は、毎月払う場合、5,000円以上、1,000円単位で設定できます。自分の公的年金や企業年金の加入状況に応じて上限額が決まります。例えば、平野くんのように企業年金のない会社員だと毎月の掛金上限は2万3000円(年間上限は27.6万円)になります」(竹川さん)

詳しくはこちらのiDeCo公式WEBサイトも参照してほしい。

仕組みの概要は、わかったところで、気になるのは制度のデメリットだ。注意点はどんなところだろう?

「積み立てたお金は60歳以降にならないと引き出せないことですね。ただ、別ポケットで確実に貯めていけるのはメリットともいえます。掛金の金額は年に1回変更できるので、厳しいときは掛金額を下げることもできますよ。どうしてもキツい時には、積み立てを一時中断することもできます。あとは、つみたてNISAと違い、安いところでも年間2000円程度(金融機関による)の口座管理手数料がかかることですね」

書類のやりとりが最初のハードル

少し横道にそれるが、iDeCoの口座開設についても触れておきたい。証券口座を持っている人も、iDeCoのための口座が必要だ。

今回、自分はiDeCoのための口座をSBI証券で作成したのだが、口座開設に必要な書類がものすごく大量にある。しかも、会社に書いてもらう必要のある書類もある。記入ミス・記入漏れがあったときには、毎回郵送し直さなければならない。送った後すぐに返信が来ないので、今どうなっているか忘れがちだ。

自分の場合は、オフィス移転のタイミングが重なったことや、銀行口座の入力ミスで何度も郵送を繰り返してしまい、半年もかかってしまった。さらに、郵送がなかなか返ってこなくて焦って何度も資料請求をしてしまったため、手元に提出書類一式が2セットも残っている。

資料請求から引き落としスタートまで早くて2ヶ月ぐらいはかかるので、もし興味を持った人は、とりあえず今日資料請求しておくのがおすすめだ。

iDeCoのお得度を計る「課税所得」の計算方法

さて、iDeCoがお得なことはわかったが、果たしてどれだけお得なのだろうか?

iDeCoのお得度を計るのに重要なのが、「課税所得」だ。「給与収入」やら「給与所得」やら、いろいろ出てくる単語がとにかくわかりづらい。前回、源泉徴収票の読み方で苦戦したのだが、自分も書きながら何度もわからなくなって調べ直した。

課税所得とは、源泉徴収票でいう「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額のこと。

つまり、所得控除の額の合計額(iDeCoの掛金もここに含まれる)が多くなるほど、課税所得が少なくなるので、その年の所得税と翌年の住民税が安くなるというわけだ。その結果、手取り年収はふえる。

今回、自分はiDeCoで毎月積立てる掛金の額を1.5万円にすると決めた。今の自分の課税所得を計算してみたところ、所得税の税率は10%となった(195万円超330万円以下)。

毎月1.5万円投資をしていくため、所得税は(1.5万円×12ヶ月)×10%=1.8万円安くなることがわかった。住民税も同じく税率が10%なため、1.8万円の軽減効果になる。合わせると年間3.6万円だ。

年間で見ると少ないが、もしこれを30年間続けると考えると、かなり大きい金額になる。何もしなければ±0だが、iDeCoに加入することで将来に向けて掛金(元本)を積み上げていけるし、毎年節税効果もある。そして、例えば、投資信託で運用して利益が出たらその分資産を増やすこともできる(もちろん短期的にはマイナスになることもあるだろうけど)。

今回、竹川さんに順を追って所得税の決まり方を説明していただいたことで、やっとどれぐらいお得なのかが腹落ちした。多少手間はかかるものの、やらないという選択肢が、もはやなくなってきた気がしている。

(腹落ちしたときの顔)

簡単な節税・運用シミュレーションはこちらからも

iDeCo初心者が選ぶべき商品は?

iDeCoのことを知ったばかりの人は、カタカナばかりの商品名がずらりとならんでいることに驚き、何を買えばいいのか迷ってしまうと思う(自分もその内の一人だった)。

ピースオブケイクが出しているスマート新書の竹川さんの著書『「わかってる人」がみんなやっている投資信託の使いかた』を手に、率直に聞いてみる。

(この商品って、どういうもの?)

本には「お薦めはインデックスファンドを組み合わせる」とあるのだが、インデックスという言葉の意味が、わかったようでわからない。とはいえ、最初に商品を選ばないことにはスタートできない。

竹川さんから説明を聞いたのち、社内でもiDeCoをすでにやっている先輩たちにも相談しつつ、まずは1つ選んだ。自分が選んだのは、某アセットマネジメント会社が運用する外国株式のインデックスファンドだ。

同ファンドは日本を除く先進国の会社の株式に投資をするインデックスファンド。全国の約1300社の株式にまとめて投資できる。竹川さんから「AppleやAmazon、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど自分も知っているような企業もその中に含まれている」と聞いて、少し親近感がわいてきた。世界経済は今後も成長していくだろう(世界経済が鈍化するなら日本も成長しないはず)という予想と、投資信託の保有中にかかる手数料(信託報酬)が低いことから判断した。

ちなみに自分は貯金がないので、第2回で決めた金額(つみたてNISA : iDeCo = 1:1)を自動的に積み立てることにしたが、申し込みの際の手違いで毎月2万円に設定してしまっていたので、現状はつみたてNISAの方を1万円にして、合計3万円で積み立てていくことにした。ゆくゆくは半半の比率にしたいと考えている。

今後、商品はどう選んだらよいのか

実際に竹川さんに話を伺ったり、自分で書籍を読んだり、ウェブサイトで検索したりしたことで、自動で貯蓄していくフローやiDeCoのお得度など、投資についての知識が自分の中に少しずつ蓄積されてきている。

こうして始めてみると、難しく考えていたのは、自分のバイアスのせいだったように思う。

ただ、iDeCoの「商品選び」については、まだ会社の先輩に言われるがままという感じで、理解しきれていないのが正直なところだ。「インデックス」という言葉もここではじめて知ったし、同じ世界を対象にしたインデックスファンドの違いについても正直まだ納得はできていない。最初はこれでスタートしてみたが、iDeCoは掛金を変更したり、商品自体も変更したりできるので、これから自分なりの最適解を探していけばいい(と教えてもらい、安心している)。

ということで、これらの本で引き続き勉強中だ。みなさんもぜひご一緒に。

100%完全に理解しきった段階で始める必要はないのだと思うと少し気が楽だ。ゆくゆく、どういう基準で商品を選ぶのがよいのかも考えていきたい。

(次回は6/25更新予定)

プロフィール:

ライター:平野太一
1991年静岡県生まれ。関西大学経済学部卒業。2013年10月よりWantedly, Inc.に入社。CSを経て、募集要項の作成・取材・ウェブメディア「WANTEDLY JOURNAL」の執筆・撮影などを担当。2016年1月よりBAKE Inc.に入社。ウェブマガジン「CAKE.TOKYO」の編集・執筆・撮影を担当。BAKE CHEESE TARTのSNS・LINE@運用、リーフレットの撮影などを担当中。2018年10月より、Piece of cake, Inc.にnoteのディレクターとして入社。クリエイターガイドやイベント企画、クリエイターサポートなど、全方位で担当中。
Twitter : https://twitter.com/yriica
note : https://note.mu/yriica

※当記事のコメントは、個人の見解であり、市場動向や個別銘柄の将来の結果をお約束するものではありません。ならびに、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。
※iDeCoで運用できる商品には、投資元本を割り込む可能性を含むものもあります。

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ひふみラボ note

投資信託「ひふみ」を運用するレオス・キャピタルワークスの公式noteです。ちょっととっつきにくいと思われがちな「投資」のこと、「お金」のこと。本当の楽しさ、おもしろさを伝えたくて、あれこれ研究していきます。金融商品取引法に基づく表示 https://bit.ly/2On4z9V

ミレニアル世代の資産づくり はじめの一歩

ミレニアル世代を代表して、noteのディレクターをされている平野太一さんに資産づくりに挑戦していただきます。 貯金ゼロからのスタートで「お金とこれから」に、向き合っていただきます。
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