【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #39
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【荒廃していた奥多摩の山々】
第四章 緑の力で国を支える (9)
東京の水道事業と奥多摩水源林(前編)東京の水道の歴史は江戸時代にさかのぼり、〝上水の水で産湯をつかい〟というのが江戸っ子の決まり文句だった。当然のことながら現在のように鋳鉄管で給水されていたはずもなく、〝上水〟とは玉川上水のような人工的な水路のことであり、江戸市内に入ったところで一部木管が使われた。
しかもそれは、明治に入ってもしばらくは江戸時代の設備のままだったのである。
やがて多摩川の水