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働くことと向き合う。中学生との「職業体験学習」で大切にした「why」の追求

こんにちは。ひふみラボ編集部です。
 
レオスでは以前から高校での授業や、小学生を対象としたワークショップの開催、高校生の模擬起業大会の支援など、様々な形で金融教育を実施してきました。
 
2019年8月開催「夢を仕事に」ワークショップ↓

2020年からサポートする高校生模擬起業大会「リアビズ」↓

2022年6月開催 高校特別授業↓

そして今年7月、新たな試みとして都内区立中学2年生の「職業体験学習」を実施しました。

<中学生の職業体験学習とは>
目的:実際の職場で働きながら、社会やそこで働く人たちから学ばせていただくことで
望ましい職業観を育成し、自分の進路について前向きに考えようとする意欲・態度を養う。

(中学校からの事業所への依頼書より引用)

今回は、都内の区立中学校に通う11名の学生さんをレオスのオフィスにお招きしました。
 
当日の様子はひふみ公式webサイトの「ひふみラボ」で紹介しています↓

https://hifumi.rheos.jp/labo/2023/hifumi_story50.html

こちらのひふみラボnoteでは、当日参加したレオスメンバーが当日までの準備で意識したことやこの体験学習に込めた想いを座談会形式でご紹介します!参加者は企画を担った広報部の桜井靖子、当日の体験学習にて講師を務めたIR部の仲岡由麗江、運用本部の渡邉庄太、営業本部の仲木威雄、マーケティング部の鈴木更沙の5名です。

きっかけは保護者会での先生のひとこと

――今回のレオスでの職業体験学習を企画したのは、桜井さんですよね。息子さんが通う中学校での保護者会がきっかけだったとか。
 
桜井:
4月初旬に開催された保護者会で、「7月の職場体験学習の受入先事業所が足りていません。保護者様の勤務先でご協力いただける会社がありましたら、ぜひお声がけください」と、先生から保護者に呼びかけがありました。
 
スポーツクラブやレストラン、個人商店など体験できる事業所はいくつか候補があったのですが、先生によると受入先事業所の準備が間に合わないなどの理由で候補の事業所が足りていないとのことでした。
 
学生の皆さんが未来を考えるためのお手伝いができないかと、手を挙げたい気持ちはありましたが、レオスが扱う投資信託は目に見える商品ではありません。また、スーパーマーケットやコンビニで販売しているわけでもなく、中学生にとって身近な存在とはいいがたいのも事実です。
投資とは何か、お金とは何かを考えるワークショップやセミナーの経験はあっても働くことの体験や学びの場としてレオス自身が題材になるのだろうか…。
 
そんな心配もありましたが、職業体験の本質は中学生の皆さんが「働くとは何か」「自分と社会のかかわり方は何か」を知り、自分がどんな人になりたいのかを考えるきっかけとなる場をつくることではないかと考えました。
それであれば、レオスでもお手伝いできる!と思い、働くことの楽しさを伝えられるような、できる限りの「職場体験学習」を提供しようと、合計2日間の受け入れを申し出ました。

人生に刻まれた体験から

――5月末に実施を決めてから準備をスタートしましたが、参加したレオスメンバーにとって、初めての中学生への講義でした。皆さんはどんなことを意識していましたか?

職業体験は1日、10時から15時の5時間です。こちらが当日のカリキュラム。★印は体験学習です。

仲岡:
私のパートのテーマは「お金って何だろう?」でした。
壮大なテーマですが、この体験での目的は、日頃の生活が経済活動に繋がっているということに気づいてもらうことです。お菓子を買うことを通じてたくさんの仕事や人が繋がっていること、自分の好きな物を買う事も大きく言えば投資に繋がっていることを一緒に考えていきました。
 
お菓子を買ったお金がどこにいくかを生徒さん一人ひとりに尋ねましたが、それぞれ自分なりの回答をしてくれましたし、中には「税金」と答えてくれた生徒さんもいて、観点のするどさに驚きました。皆さんなりに税金や物価に対する意識があるんだとの気づきになりました。

渡邉:
私が担当した講義は、レオスのような運用会社がどんな仕事をしているかを紹介するというのが桜井さんからの依頼でした。
とはいえ、いきなり業務内容を伝えてもイメージができないだろうと思ったので、まずは「投資って何?」というのを理解してもらう必要がありました。

投資とは何かを説明するときに、お金の投資だと「まだ自分たちではお金を稼いでいないから」と意識が離れてしまう可能性があったので、中学生に身近に感じてもらうために「推し活」、「頑張ってる人を応援すること」と置き換えました。
どのくらい受け取ってもらえたのかはわからないですが、実施後のアンケートの感想を見ると、わかってくれたのかな、と思います。

渡邉:
セミナーなどで大人向けに同じ話をすることもありますが、生徒さんたちはまだマーケットの大きなショックを経験して損したという経験がないので、投資に対する先入観もありません。その分、投資とお金を切り離してもストレートに受け止めてくれたんだと思います。

仲木:
僕はあえて、実際の企業の株価を見てもらいました。アシックスやナイキ、オリエンタルランドなど中学生にとっても身近な会社です。
オリエンタルランドの株価推移には「こんなにきれいに上がっているの!?」と驚いていましたね(笑)

鈴木:
私はデザイナーなので、当初桜井さんからデザインの仕事について話してほしいと言われていました。そのつもりで準備していたんですが、前々日に参加する生徒さんの意気込みを書いたシートを共有してもらって、そこには「仕事の厳しさや大切さを体験したい」と書いてあり、急いで座学からデザインのワークショップに路線変更しました。

というのも、自分自身が高校生の時に参加した職業体験学習は今の私に大きな影響を与えているんですよね。
私はCMの仕事もしている小道具さんの会社で体験をしました。実際のCM撮影の現場にも参加し、作った小道具をセットに配置するなど、お手伝いさせてもらいました。
その時に、ものづくりってこんなにも多くの人が関わっているんだって体感したんです。社員さんから現場の裏側を聞くこともできて、その時の体験が自分の人生に色濃く残っています。

その体験もあって、今回も体験型にすることで生徒さんの人生に少しでもプラスになるような、なにかしらの体験を残したいと思いました。


鈴木のワークショップではケーキ屋さんのチラシ作りをしました。


デザイナーの仕事を体験。実際に作ったチラシがこちら。

――働く体験の提供という新たな取り組みでしたが、気づきや課題はありましたか?

鈴木:
この職業体験で「why」を考えることってものすごく大事だなと改めて思いました。
今回私のワークショップは、事前にこちらでフォントや写真をいくつかピックアップし、設定したターゲットや作成目的に沿ったものを選択してチラシを作るというものでした。

あるものの中から選ぶので、比較的簡単にチラシはできるんです。でも、そこで重要なのは「どうして選んだのか」を考えることです。デザイナーは、クライアントの意図や希望は何かをしっかり把握し、それにマッチする素材を選択します。デザインは選択の連続なんです。理由を考えて選択するのはプロでも同じなので、チラシの完成以上に、選択した理由を考えるというプロセスを体験してほしかったんです。

仲木:
僕のパートでも「why」を考えることを大事にしました。
「どうして株価が上がっているのか?」しっかりと理由を考えること。会社の利益は、商品の価格×売れた数です。
商品の値段をあげられているのはどんな会社なのか、お客様にどういう幸せを届けているか、そこを考えることで会社の株価は決して数字の上下だけではないとわかります。
株式投資はギャンブルじゃないんよね。

そして、みんなこちらが思ってる以上に自分は何が好きで何が嫌いか、将来どんな風になりたいのかをしっかり持っていました。
授業の冒頭に「自分を表現するワードで自己紹介」というお題を出したのですが、最初は「自分の夢がかなわないかもしれないから言いたくない。」と言っていた生徒さんも、話していくと将来なりたいものやその理由を教えてくれました。

仲岡:
私がこの職業体験で印象に残ったことの1つは、皆さんが素直に「ありがとう」を言ってくれることでした。私たちは「ありがとうは最高の投資」とお伝えしていますが、この最も大切なことを既に皆さんはちゃんと会得していたんです。

お金や投資については、これから正しい知識や方法を知れば良いんです。私が中学生の頃とは違い、情報に溢れる世の中になり、惑わされたり迷ったりすることもあるかもしれません。ですが、「ありがとう」の大切さと、「自分の好きなこと」という軸で、将来への道を探し、進んでいってもらえたら、と思いました。いつか進路や就職を考える時に、この職業体験のことを少しでも思い出してくれたら最高に嬉しいです。

――また学生さんをお迎えしたいですね!

鈴木:
またやりたい!今度は半日くらいかけてやりたいです。

渡邉:
絶対にやりつづけたいです。
投資に前向きな社会をつくるには、これから社会に出ていく皆さんのメンタリティを変えるのが一番近道だと思います。生徒さんから学ぶ機会を得られたこともありがたかったです。
結局投資は社会活動の一環です。レオスのリソースだけでは難しいかもしれませんが、今回のような場を全国の小学校、中学校、高校に横展開したいですね。

仲木:
全部レオスに来てくれたらいいけど(笑)
自分が前向きに思えることじゃないとおもんないよねっていうのを、伝えたいよね。好きじゃないとつらいし、そういう視点で将来を選んでもいいっていうのを伝えていきたいです。

仲岡:
もうひとつ、学生の皆さんを受け入れる準備をしていく中で感じたことがあります。

今回は桜井さんを中心に、講師を務めてくれるメンバーと準備をしていきました。
それぞれの分野でプロフェッショナルなメンバーが、この2日間に向けて真剣に取り組み、そして当日も学生の皆さんの様子や反応を見ながら少しずつ変化を入れていく。その様子にも心打たれるものがありました。

また、オフィスツアーでは何の事前打診もしていない社員にも声をかけ中学生からの質問に答えてもらいましたが、全員が温かく迎え自身の仕事紹介など対応してくれました。
子供たちに「自分らしい未来を歩んでほしい」という同じ想いを持ち、ひとつひとつの仕事に真剣に真摯に向き合っていく。こんなレオスメンバーと仕事ができていることを改めて幸せだと感じる経験にもなりました。


職業体験学習にご参加くださった皆さん、ご協力くださった先生方、ありがとうございました!
 
※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の動きや結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。


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