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上場企業になるとは、どういうことなのか?レオス・キャピタルワークスの創業者3人が考える未来(後編)

こんにちは、ひふみラボ編集部です。

2023年4月25日、私たちのレオス・キャピタルワークス株式会社は東京証券取引所グロース市場へ上場しました。

前回に引き続き、創業メンバーである代表取締役会長兼社長・藤野 英人、代表取締役副社長・湯浅 光裕、営業本部長・五十嵐 毅に、上場について聞いてみました。
この連載を通して私たちが上場する理由や、「そもそも上場って何?」ということを知っていただけると嬉しいです。


レオスが上場する理由

レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役 会長兼社長 最高投資責任者
藤野 英人

――なぜレオスは上場するのでしょうか?

藤野:株式市場は、一つには成長するための資金を確保するための場所なんですね。
私たちは会社として成長したい。株式市場から資金を調達して、次の挑戦をしていきたいと考えています。
ではその次の挑戦とは何かというと、海外株式の調査体制や国内の販売機能を強化することです。それから、システム整備であったり、優秀なファンドマネージャーやアナリストを雇ったりして、社内体制を強固にすることも目標としています。

もう一つ上場する意義のようなものがあって。それは何かというと、投資信託ひふみシリーズが120万人ものお客様に支えられ、日本最大規模の投資信託になっていることと関係します。
上場することで会社の信頼性や知名度を上げ、お客様にとってより安心して資産を預けていただける存在になることが大切と考えます。そしてお預かりする資産がふえると私たちが投資できる金額も大きくなり、投資を通じて社会に貢献できる可能性も広がることになります。そうした意味で、日本を代表する会社、日本を代表する投資信託の会社になりたいと思っています。
そのためには、より幅広く個人投資家の方に株主になっていただき、私たちの活動を支えてほしいと思うのです。


代表取締役副社長
湯浅 光裕

湯浅:人類がいる場所では、株式投資という行為が通用するんです。一般的に、多くの人が生活しているところでは、私たちが投資対象とする企業もあるし、投資を考えるうえで必要な情報もあります。まぁ、宇宙に行くとちょっと無理ですけどね、地球上なら(笑)
上場すると、海外に住んでいる人たちにレオスの株を買ってもらうこともできます。未上場だったら、誰もが株主になることはできないので。
上場することで私たちの活動フィールドを広げたいという思いがあります。


営業本部 本部長
五十嵐 毅

五十嵐:日本には370万社くらいの会社があって、その中で上場企業は4000社弱になります。その中に入るということは、やはり知名度が上がるきっかけになると思います。そうしてレオスを知って、「投資って素晴らしいな」と感じてくださる方をふやしていきたいですね。


ロードショーを終えて

――ロードショーを終えて印象に残ったことはありますか?

湯浅:僕らは話したいことがたくさんあるんです!届けたい商品(投資信託)もいっぱいあるし、「これをやりたい」と伝えたいから、2時間くらい喋ってしまいそうなんです。

今回のロードショーで印象に残ったのは、海外の投資家から「1兆円の資産を運用していて、あなたの会社の株価はこの水準なんですか?(安くないですか?)」と言われたこと。
僕たちの気持ちを分かってくれていますね(笑)
彼らは同業者(機関投資家)なわけで、同業者だからこそ共感できる部分もあったのは面白い発見でした。
※レオスが運用する投資信託の総資産残高は1兆円に達します。

藤野:ロードショーでは海外の投資家に向けても説明を行ないました。
質問内容は日本の投資家と変わらないのですが、海外の投資家は日本の制度(NISAやiDeCoなど)を知らないことが多いので、私から解説しました。

【ロードショー】
上場承認後、機関投資家に事業内容等や成長戦略を説明する会社説明会のことです。
ロードショーを通して機関投資家から集めた意見が、この後の株式の公開価格を決めるプロセスに大きな影響を与えるため、ここで機関投資家に自社の魅力を伝えられるかが重要になります。


働いている人にはどんな影響があるのか?

――上場企業になったら、働いている人にはどんな影響がありますか?

藤野:私はもともと、リスクをとるのが好きなんです。いろいろやってみたいことがあるんですね。上場企業になっても、それは変わりません。リスクをとって投資をするのが、私たちの仕事ですしね。

一方で、全社員に向けて「絶対誰が見ても、100人中ほぼ100人が『アウト!』と思うような行為をするのはやめましょう」と話をしました。ダメなことはダメ。リスクをとって何かに挑戦することと、絶対にやってはいけないことをするのは、全然違います。それはどんな会社の人でも同じですが、上場企業で働く人の社会的な責任といいますか。「コンプライアンスや社会の常識を守って責任ある行動をとりましょう」ということになります。


創業メンバーから、皆様へ

――最後に、メッセージをお願いします

五十嵐:創業して20年で上場となり、これがレオス社の歴史の中で序盤なのか中盤なのか現時点ではわからないですが、でも基本的にはずっとポジティブな意識を持って進んできました。これからどこまで会社が大きくなっていくのか、それを楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
ひふみを通して、またはレオスの株主になって、私たちが成長していく姿を一緒に見ながら歩んでいっていただきたいです。

湯浅:今、レオスのメンバーは156名(2023年4月1日時点)になりました。ここまで会社を育ててくださったのは、やっぱり国内外の投資家の皆様ですし、156名の仲間です。投資について、世界中の楽しい話も困難な話も、いろんなことをお伝えしながら、みんなで成長していきたいと思っています。
上場することでより多くのお客様に支えられる会社になって、仲間をふやし社会に貢献したいです!

藤野:上場して幅広く仲間ができることは、本当に嬉しいことだと思います。一方でステークホルダーが広がることにもなるので、非常に責任を感じています。改めて考えると、恐ろしいことでもあります。でも、ワクワクする気持ちの方が大きくて。
上場はゴールではなく、サナギから成長して羽ばたいていくイメージです。上場したらやりたいことがさらにたくさんあるので、限界なくやっていこうと思います!

【ステークホルダー】
日本語では「利害関係者」とも訳されます。
株主・経営者・従業員・顧客・取引先をはじめ、企業が活動するうえで直接・間接的に関わる相手のことです。
上場することで少数の限られた株主から、不特定多数の株主にステークホルダーが拡大することになります。

次回は、4月25日に行なわれた東証での上場セレモニーや、記者会見の様子をお伝えします。上場に半信半疑だったのは、創業メンバーだけではなかったようです…?!(5/16頃に更新)
引き続き、お楽しみください。


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