【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #07
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第一章 勉強嫌いのガキ大将 (5)島邨泰(しまむらやすし)と米搗(つ)き勉強明治一三年(一八八〇)、満一四歳でようやく念願の上京が許された静六についてである。
上京すると言ってもまだ若い、頼る人がいなければ路頭に迷ってしまう。かつて兄金吾が教えを受けていた遷喬館元館長の島邨泰を頼ろうということになったのだが、静六だけで行かせるわけにもいかない。
そこで母やそは、実家の兄金子茂右衛門に相談にのってもらうことにした。
やその実家は葛飾郡上吉羽村(現在の埼玉県幸手