前回はこちら↓ 第35回 夏ナスの味で知った飢饉襲来江戸時代は時代を通じて気温が低く、数十年に一度は夏が低温になって飢饉が起こった。 その最大のものが、金次郎の生まれ年にかけて起こった天明の大飢饉であった。 天明2(1782)年から天明7(1787)年にかけて各地で飢饉が発生し、数十万人におよぶ餓死者をだした。こうした経験から、飢饉に備える知恵を当時の日本人は蓄えていた。 そして金次郎は、天明の大飢饉の約50年後に起こった、江戸時代最後の大飢饉である天保の大飢饉に遭遇するこ
前回はこちら↓ 第34回 極楽普請勘右衛門が急ぎ資料を整えて提出すると、それらに目を通した金次郎は約束通り青木村にやってきて回村を始めた。天保2年12月のことであった。 もう心の中では仕法を引き受けてやるつもりでいる。まずは彼らのやる気に火をつけねばならない。 金次郎はまず、視覚的に荒涼たる感じを抱かせ、野火を頻発させ、彼らに絶望感を植え付けている村中の茅を刈ってしまうことを考えた。 ただ命じるだけで人は動かない。 彼は何と、 「お前たちが刈ってきた茅は、30駄(だ)(一駄
このマンガは、意外と知らないあるモノの始まりや起源について紹介するシリーズです。 身近なものや今では当たり前に存在するものでも、歴史を遡ってみれば誰かが発見したり、発明したものだとわかります。そうした人々の創意工夫や、実現させるまでの困難な出来事を知ることは、もしかすると未来を創造するヒントにつながるかもしれません。 投資信託の会社で働くキャラクターと一緒に、いろんなモノの「はじまり」を探しに行きましょう! 登場人物 第8話 ニューヨーク証券取引所のはじまり 音声付きの
前回はこちら↓ 前回までのあらすじ 豊田正作の妨害工作で金次郎はやる気を失い、危機に瀕した桜町仕法であったが、余人をもって代えがたい存在であることを再認識した藩庁と領民の支持の下、金次郎は仕法に復帰。成田山参籠や小谷三志との出会いによって金次郎の思想はさらに成熟の度を増し、思想爆発と言われる過程を経て後世に残る報徳思想が完成を見るのである。 第33回 青木村仕法桜町仕法の第1期が修了した頃から、金次郎の再建家としての名声は近在に聞こえ始めた。 すると近隣諸藩諸村からも仕
このマンガは、意外と知らないあるモノの始まりや起源について紹介するシリーズです。 身近なものや今では当たり前に存在するものでも、歴史を遡ってみれば誰かが発見したり、発明したものだとわかります。そうした人々の創意工夫や、実現させるまでの困難な出来事を知ることは、もしかすると未来を創造するヒントにつながるかもしれません。 投資信託の会社で働くキャラクターと一緒に、いろんなモノの「はじまり」を探しに行きましょう! 登場人物 第7話 ニューヨークのはじまり 音声付きの動画はこち
前回はこちら↓ 第三二回 至誠・勤労・分度・推譲『三才報徳金毛録』の哲学的世界観を、仕法をする際、農民に一から説いても理解できる者は少ない。そこで彼は報徳思想を報徳仕法に反映する上でのキーワードを強調して説明するようになった。 特に重要なのが、すでに何度も登場している「至誠・勤労・分度・推譲」の四項目だ。 富田高慶は『報徳論』の「自叙」で と述べており、この四項目が重要だと世間に広まったのも、ここから始まっている。 繰り返しになるが、以下再度解説しておきたい。 「至誠