前回はこちら↓ 第二四回 朽ちかけていた桜町陣屋後年、洪水で再び栢山(かやま)村が荒廃し、人々が困窮した際、金次郎は弟に管理させていた土地を「報徳田地」として寄付…
前回はこちら↓ 第二三回 一家を廃して万家を興す背水の陣金次郎の思考は現代的だ。口約束では満足しない。再興事業の期間と数値目標などを記した契約書を作成し、小田原…
2024年6月20日、叡王戦 第9期五番勝負の第5局が山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われました。第4局までの接戦を制したのは、挑戦者の伊藤匠七段です。将棋タイトル戦八冠を…
前回はこちら↓ 第二二回 桜町仕法の成功を神仏に祈って当時の譜代大名の領地にはしばしば〝飛び地〟と言って、主たる領地と離れたところに小さな領地があり、みなその運…
前回はこちら↓ 第二一回 徳を作る改正枡の使用開始に続き、金次郎が建議した藩士向け五常講もはじまった。 基金として藩主から江戸在住者に五〇〇両、小田原在住者に一…
前回はこちら↓ 第二〇回 酒匂川河原での表彰酒匂川での表彰は、老中就任のため江戸に向かう途中の出来事であった。 文政元年一一月、酒匂川の河原に、孝子(親孝行な者…
このマンガは、意外と知らないあるモノの始まりや起源について紹介するシリーズです。 身近なものや今では当たり前に存在するものでも、歴史を遡ってみれば誰かが発見した…
前回はこちら↓ 第一九回 きのの離縁と波との再婚乳幼児死亡率の高かった当時のこと、生まれて間もない子どもの死は珍しくなかったが、このことはきのを絶望のどん底に叩…
前回はこちら↓ 第一八回 金次郎の大失敗文化一五・文政元(一八一八)年三月、再び金次郎は服部家に住み込んで財政再建計画を実行に移すこととなる。服部家の若党になっ…
「私たちの上場ストーリー」は、上場にまつわる様々なエピソードを通してレオスのことを知っていただくとともに、株式市場の魅力や面白さをお伝えしたいと発信しているシリ…
前回はこちら↓ 第一七回 二宮総本家再興金次郎は文化二(一八〇五)年、満一八歳の時、二宮総本家再興を期してある布石を打っていた。総本家が田畑すべてを売り払った後…
ファッション迷子、投資迷子だという方、いらっしゃいませんか。 自分に合ったファッションがわからない、話題の新NISAに乗り遅れたかもしれない… そんな方に向けて、202…
前回はこちら↓ 第一六回 きのとの結婚文化一一(一八一四)年、川久保家に預けられていた弟の友吉を金次郎が呼び戻し、一二年ぶりに栢山村に帰ってきてもらった。 だが…
前回はこちら↓ 第一五回 服部家の家政立て直し五常講は世界最初の協同組合、信用組合であるとの指摘もある。 実際、日本では後の明治時代になって「産業組合法」が制定…
前回はこちら↓ 第一四回 服部家での奉公と五常講服部家の当主(代々十郎兵衛を名乗った)には、金次郎より九歳年下である満一六歳の長男清兵衛(せいべえ)以下、年若い三…
ひふみラボ note
2024年9月13日 17:00
前回はこちら↓第二四回 朽ちかけていた桜町陣屋後年、洪水で再び栢山(かやま)村が荒廃し、人々が困窮した際、金次郎は弟に管理させていた土地を「報徳田地」として寄付している。年貢など諸費用はすべて自分が負担し、困窮する者に小作させ、収穫物はすべてその者たちに与える形にして援助したのだ。 それを機に、栢山村の土地改良も提案している。洪水の後、早期に排水して田畑を窮状に戻さねばならないが、それだけ
2024年9月6日 17:00
前回はこちら↓第二三回 一家を廃して万家を興す背水の陣金次郎の思考は現代的だ。口約束では満足しない。再興事業の期間と数値目標などを記した契約書を作成し、小田原藩と宇津家との間で取り交わした。最初に決めたのは、桜町領の分度(税収合計)だった。「年間の年貢を一〇〇五俵、畑方金(畑で獲れる作物への税)一二七両と定め、これを越えた収量があった場合には、分度外として報徳金勘定に組み入れることを認めて
2024年9月2日 17:00
2024年6月20日、叡王戦 第9期五番勝負の第5局が山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われました。第4局までの接戦を制したのは、挑戦者の伊藤匠七段です。将棋タイトル戦八冠を有する藤井聡太叡王が敗れるという歴史的な対局となりました。レオス・キャピタルワークスは、「人の可能性を応援する」運用会社としてこれまでも人や企業の挑戦を応援する活動をしてきたこともあり、縁あって第6期から叡王戦の特別協賛として
2024年8月30日 17:00
前回はこちら↓第二二回 桜町仕法の成功を神仏に祈って当時の譜代大名の領地にはしばしば〝飛び地〟と言って、主たる領地と離れたところに小さな領地があり、みなその運営に苦労していた。小田原藩も下野国(しもつけのくに)(現在の栃木県)の桜町に飛び地を持っていたのだ。桜町領は〝桜町三ヵ村〟と呼ばれ、物井(ものい)・横田・東沼(ひがしぬま)の三つの村(いずれも現在の栃木県真岡市の一部)からなっている。小
2024年8月23日 17:00
前回はこちら↓第二一回 徳を作る改正枡の使用開始に続き、金次郎が建議した藩士向け五常講もはじまった。基金として藩主から江戸在住者に五〇〇両、小田原在住者に一〇〇〇両が下賜され、他に出資者を募ると、その額はあわせて五〇〇〇両にのぼった。十分の金額だ。こうして文政三(一八二〇)年一二月から貸付けが始められた。小田原在住者への下賜金のうち、七〇〇両は八朱の利息(現在で言う八パーセント)を取った
2024年8月16日 17:00
前回はこちら↓第二〇回 酒匂川河原での表彰酒匂川での表彰は、老中就任のため江戸に向かう途中の出来事であった。文政元年一一月、酒匂川の河原に、孝子(親孝行な者)一名、出精奇特人(しゅっせいきとくにん)(ことのほかよく働いた者)一二名を集めて表彰を行った。その出精奇特人の筆頭が金次郎であった。選出する関係者に二宮一族の者が加わっており、生家の復興などが評価された結果だった。「酒匂川表彰の図」
2024年8月14日 17:00
このマンガは、意外と知らないあるモノの始まりや起源について紹介するシリーズです。身近なものや今では当たり前に存在するものでも、歴史を遡ってみれば誰かが発見したり、発明したものだとわかります。そうした人々の創意工夫や、実現させるまでの困難な出来事を知ることは、もしかすると未来を創造するヒントにつながるかもしれません。投資信託の会社で働くキャラクターと一緒に、いろんなモノの「はじまり」を探しに行き
2024年8月9日 17:00
前回はこちら↓第一九回 きのの離縁と波との再婚乳幼児死亡率の高かった当時のこと、生まれて間もない子どもの死は珍しくなかったが、このことはきのを絶望のどん底に叩き落とした。怒りや恨みの矛先は、家のことをないがしろにしている金次郎に向かった。もう無理だと心折れてしまったきのは、「私は二宮家の家風にはあいません。どうぞ離縁にしてください」と申し出てきた。(なんと私は、自分の足下が見えていなか
2024年8月2日 17:00
前回はこちら↓第一八回 金次郎の大失敗文化一五・文政元(一八一八)年三月、再び金次郎は服部家に住み込んで財政再建計画を実行に移すこととなる。服部家の若党になった日から六年の歳月が過ぎていた。「向こう五年間、私の申し上げることに従っていただくということでよろしいですね」「もちろんじゃ。林蔵に全てを委ねよう」「まずはお着物からして、内向きは木綿にしていただきます」「わ…わかった」こうして
2024年7月30日 17:00
「私たちの上場ストーリー」は、上場にまつわる様々なエピソードを通してレオスのことを知っていただくとともに、株式市場の魅力や面白さをお伝えしたいと発信しているシリーズです。今回は「投資家としてのレオス」をテーマに、外部の専門家として一緒に仕事をしてくださるマーケティングのプロ、上野 美香さんにお話をうかがいました。上野さんは上場企業に限らず、ベンチャー企業でのキャリアも豊富です。企業が誕生し
2024年7月26日 17:00
前回はこちら↓第一七回 二宮総本家再興金次郎は文化二(一八〇五)年、満一八歳の時、二宮総本家再興を期してある布石を打っていた。総本家が田畑すべてを売り払った後にぽつんと残っていた稲荷社を垣根で囲い、そこで竹林を育て始めたのだ。四年後の文化六(一八〇九)年、生い茂ったところで伐採して売却すると四朱七〇文を得た。これに金次郎は自分の金を一一朱一八〇文足して一両(現在価値にして三〇万円)とし、総本
2024年7月25日 17:00
ファッション迷子、投資迷子だという方、いらっしゃいませんか。自分に合ったファッションがわからない、話題の新NISAに乗り遅れたかもしれない…そんな方に向けて、2024年6月21日、ファッションと投資を一緒に楽しく学んでみようという講座を開催しました。「ファッション×投資講座」は初開催のためどれだけの方が参加してくれるのだろうとドキドキでしたが、会場となる「レオスパーク」には約20名の方が足を
2024年7月19日 17:00
前回はこちら↓第一六回 きのとの結婚文化一一(一八一四)年、川久保家に預けられていた弟の友吉を金次郎が呼び戻し、一二年ぶりに栢山村に帰ってきてもらった。だが、これを渡りに船だと考えた人たちがいた。友吉に二宮三郎左衛門家への婿養子の話が持ち上がったのだ。三郎左衛門家も以前は富裕な豪農だったが、今では見る影もなくなってしまっている。(友吉が養子に入ってくれれば、きっと兄金次郎が協力して家を再興
2024年7月12日 17:00
前回はこちら↓第一五回 服部家の家政立て直し五常講は世界最初の協同組合、信用組合であるとの指摘もある。実際、日本では後の明治時代になって「産業組合法」が制定されるが、その際、政府が参考にしたのは、金次郎の「五常講」とドイツの「救済貸付組合」だったと言われている。中でも堀之内村の倉蔵(くらぞう)という使用人仲間は金次郎に心底惚れ込み、生活の収支一切はもちろん、自分の借財返済まで託してきた。そ
2024年7月8日 11:30
「私たちの上場ストーリー」は、上場にまつわる様々なエピソードを通してレオスのことを知っていただくとともに、株式市場の魅力や面白さをお伝えしたいと発信しているシリーズです。この連載を始めたのは、2023年4月にレオス・キャピタルワークスが東証に上場したことがきっかけでした。ところが今年、2024年4月にSBIレオスひふみ株式会社という新会社が設立され、レオス・キャピタルワークスの単独株式移転
2024年7月5日 17:00
前回はこちら↓第一四回 服部家での奉公と五常講服部家の当主(代々十郎兵衛を名乗った)には、金次郎より九歳年下である満一六歳の長男清兵衛(せいべえ)以下、年若い三人の子どもたちがいた。当時はまだ小田原藩の藩校文武館は開校していなかったので、小田原随一の儒者である宇野権之進(西海)の開いている私塾に通って学問の研鑽(けんさん)に励んでいた。講義の間、金次郎は廊下に控えている。すると障子越しに講