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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~

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第14回山本七平賞を受賞され、100年経営の会顧問や、日本将棋連盟アドバイザーなど、多方面でご活躍されている作家・北康利先生による新連載企画です。 前回の本多静六氏に続き、今回…
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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #33

前回はこちら↓ 前回までのあらすじ 豊田正作の妨害工作で金次郎はやる気を失い、危機に瀕し…

【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #32

前回はこちら↓ 第三二回 至誠・勤労・分度・推譲『三才報徳金毛録』の哲学的世界観を、仕法…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #31

前回はこちら↓ 第三一回 三才報徳金毛録『三才報徳金毛録』には彼独特の世界観が円の図をも…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #30

前回はこちら↓ 第三〇回 君臣具わって一騎と成る小田原に召還された豊田のその後だが、赴任…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #29

前回はこちら↓ 前回までのあらすじ 豊田正作によって桜町仕法が妨害工作に遭い、辞任を申し…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #28

前回はこちら↓ 第二八回 一円相開眼丁稚を大久保邸に行かせている間に金次郎は情報収集をし…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #27

前回はこちら↓ 第二七回 成田山参籠文政一二(一八二九)年正月、金次郎は小田原藩の江戸藩邸に呼び出され、わずかな従者を連れて桜町を発った。 江戸藩邸で待っていたのは江戸詰の家老鵜沢作右衛門(うざわさくえもん)だ。鵜沢は栢山に親戚がおり、金次郎とは幼い頃から旧知の仲である。 いささか教養に欠けた人物であったようで、次のようなエピソードが残っている。 いかに自分の家臣とはいえ、〝無学〟との物言いはあんまりである。 ともあれ、鵜沢は金次郎をいきなり詰問した。 「名主たち連名の

【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #26

前回はこちら↓ 第二六回 小谷三志との出会いさすがの金次郎も、領内の対立がここまで深まっ…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #25

前回はこちら↓ 第二五回 豊田正作の赴任赴任して四年目に入った文政九(一八二六)年、四〇…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #24

前回はこちら↓ 第二四回 朽ちかけていた桜町陣屋後年、洪水で再び栢山(かやま)村が荒廃し、…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #23

前回はこちら↓ 第二三回 一家を廃して万家を興す背水の陣金次郎の思考は現代的だ。口約束で…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #22

前回はこちら↓ 第二二回 桜町仕法の成功を神仏に祈って当時の譜代大名の領地にはしばしば〝…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #21

前回はこちら↓ 第二一回 徳を作る改正枡の使用開始に続き、金次郎が建議した藩士向け五常講…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #20

前回はこちら↓ 第二〇回 酒匂川河原での表彰酒匂川での表彰は、老中就任のため江戸に向かう途中の出来事であった。 文政元年一一月、酒匂川の河原に、孝子(親孝行な者)一名、出精奇特人(しゅっせいきとくにん)(ことのほかよく働いた者)一二名を集めて表彰を行った。 その出精奇特人の筆頭が金次郎であった。選出する関係者に二宮一族の者が加わっており、生家の復興などが評価された結果だった。 「酒匂川表彰の図」という、この時の情景を描いた絵が残されている。貴人は顔を見せない。駕籠(かご)の