【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #20
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第二〇回 酒匂川河原での表彰酒匂川での表彰は、老中就任のため江戸に向かう途中の出来事であった。
文政元年一一月、酒匂川の河原に、孝子(親孝行な者)一名、出精奇特人(しゅっせいきとくにん)(ことのほかよく働いた者)一二名を集めて表彰を行った。
その出精奇特人の筆頭が金次郎であった。選出する関係者に二宮一族の者が加わっており、生家の復興などが評価された結果だった。
「酒匂川表彰の図」という、この時の情景を描いた絵が残されている。貴人は顔を見せない。駕籠(かご)の