【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #31
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第三一回 三才報徳金毛録『三才報徳金毛録』には彼独特の世界観が円の図をもって体系的に示され、最後に報徳仕法実施上の要点が記されている。
思想爆発の集大成だけあって極めて難解なものであった。
金次郎は「一円相」について、「混沌」→「開闢(かいびゃく)」→「輪廻(りんね)」の順に論理を展開している。
まず「混沌」だが、それはまさに読んで字の如く、何ものでもない「空」の状態であり、すべての出発点である「大極」である。
ちなみに金次郎は中国の陰陽思想の説く「太極」と