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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~

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第14回山本七平賞を受賞され、100年経営の会顧問や、日本将棋連盟アドバイザーなど、多方面でご活躍されている作家・北康利先生による新連載企画です。 前回の本多静六氏に続き、今回…
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記事一覧

【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #44

前回はこちら↓ 第44回 報徳社運動の原点下館仕法の特長は下館信友(しんゆう)講が組織された…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #43

前回はこちら↓ 第43回 下館藩仕法烏山藩は桜町領の北隣だが、南隣の常陸国真壁郡(ひたちの…

【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #42

前回はこちら↓ 第42回 烏山藩仕法菅谷も話を聞いて、これは金次郎に頼むほかあるまいという…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #41

前回はこちら↓ 第41回 僧円応天保七(1836)年の天保の大飢饉の際、桜町の北隣りの烏山(か…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #40

前回はこちら↓ 第40回 吉良八郎天保の大飢饉に際し、金次郎は谷田部・茂木村27ヵ村に関し、…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #39

前回はこちら↓ 第39回 谷田部仕法前回の訪問から半年も経っていない6月1日、再び使者として…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #38

前回はこちら↓ 前回までのあらすじ 青木村仕法に取り組んだ金次郎は、壊れたままになっていた青木堰を奇想天外な工法によって改修。 ナスの味で飢饉の襲来を予見し、寒さに強いヒエを植えさせて被害を最小限にするなど、見事な経営手腕を見せていく。 村民も彼に心服し、大成功と思われていた青木村仕法だったが、最終的には領主の川副氏が分度を守らず竜頭蛇尾に終わってしまう。 領主に分度を守らせることの難しさを痛感した金次郎であった。 第38回 他藩への仕法の拡大天保5(1834)年、先述

【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #37

前回はこちら↓ 第37回 青木仕法の結末 その2悪いことは重なるものである。弘化3(1846)年…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #36

前回はこちら↓ 第36回 青木仕法の結末天保8(1837)年も全国的に飢饉が続いていた。 全国で…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #35

前回はこちら↓ 第35回 夏ナスの味で知った飢饉襲来江戸時代は時代を通じて気温が低く、数十…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #34

前回はこちら↓ 第34回 極楽普請勘右衛門が急ぎ資料を整えて提出すると、それらに目を通した…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #33

前回はこちら↓ 前回までのあらすじ 豊田正作の妨害工作で金次郎はやる気を失い、危機に瀕し…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #32

前回はこちら↓ 第三二回 至誠・勤労・分度・推譲『三才報徳金毛録』の哲学的世界観を、仕法…

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【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #31

前回はこちら↓ 第三一回 三才報徳金毛録『三才報徳金毛録』には彼独特の世界観が円の図をもって体系的に示され、最後に報徳仕法実施上の要点が記されている。 思想爆発の集大成だけあって極めて難解なものであった。 金次郎は「一円相」について、「混沌」→「開闢(かいびゃく)」→「輪廻(りんね)」の順に論理を展開している。 まず「混沌」だが、それはまさに読んで字の如く、何ものでもない「空」の状態であり、すべての出発点である「大極」である。 ちなみに金次郎は中国の陰陽思想の説く「太極」と