【北康利連載】二宮尊徳~世界に誇るべき偉人の生涯~ #11
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第一一回 「積小為大」開眼農家の一大行事はなんと言っても田植えである。
例年この時期になると周囲の村人の協力も得て、苗代(なわしろ)で育てた苗を、田植え歌を歌いながらリズミカルに植えていく。農作業でありながら一種のリクリエーションであり、人々の表情も明るい。
だが金次郎は田植えの際に出る「捨て苗」のことがいつも気になっていた。
(もったいない…)
稲は間隔を狭めて植えるとかえって収穫量が減ってしまう。少し苗が余るくらいの数を苗代で作るのが合理的だったのだが