【北康利連載】若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝 #24
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第三章 飛躍のドイツ留学 (8)
切腹も覚悟した学位試験本多家からの仕送りを期待できなくなった静六は生活費を切り詰めるだけでなく、なんとか留学を早めに切り上げられないかと思案しはじめる。かと言って博士号も諦めたくない。
そんな静六に同情してくれたウェーベル教授は、まだ二年もしないうちにドクトルの試験を受けてみよと勧めてくれた。
勇気百倍である。そして徹底的に学習の効率化を考えた。
教室では教師の一言一句も聞き逃すまいと、一番前の真ん中に陣取ってノートを取った